HOOK13 [2022締めのご挨拶]

2022年の最後の日、新居のソファに深く腰掛けてブログを書いています。ただでさえ穏やかな空気を持つこの住宅街も、年末ということで一層の静けさに包まれています。

1年を振り返るには充分すぎる贅沢な時間が、今この空間に存在している。
最も俯瞰出来るこの日、この時間を大切に。



テーブルの上に灯した火の揺らぎに身を任せながら書き綴ります。こういった文章は久しぶりな気がするので散文となりますがお客様もゆっくりした時間の時にお読み下されば嬉しいです。




まずは最初に、今年も本当にありがとうございました。5周年を迎え6年目に突入したASKYY。いつもの様な移転等の明確な動きはなくとも、意図して深いところへ潜り、奥底にあった可能性を水面まで引き上げる事が出来た1年だったと思います。

1人で全ての業務を行うワンオーナースタイルでなく、初めてゆーき君という正式な社員を採用。その後すぐに新店舗ANNEXの新業態を開始。そこではポップアップ的にイベントを行い、一点物で制作した作品の抽選販売も繰り返し行いました。新たなQRのシステムや全商品への動画付随などのアウトプットも完遂。ゆーき君のおかげもあって、思い描いていたヴィジョンやTODOを全て具現化し形に出来た年でした。

結果として、今年も会社設立以来過去最高売上、過去最高益という素晴らしい業績を残せたこととなります。込み上げる感情を文章でお伝えすることは難しいのですがとにかくこれはお客様の愛情の賜物であり感謝しかありません。
改めてありがとうございました。

数字だけが全てではない と思うデザイナー的視点がある一方で、数字を出しているのだからこのやり方が正しい と冷徹に分析する経営者の視点。このギャップは、いつまでも脳内を行き来し自身を悩ませますが、その葛藤はASKYYを成長させ、今後の血となり骨となりこれから続く物語に繋がっていくのだと思えます。引き続きその人間味でさえもお見守り頂けたら幸いです。


そんなASKYYという小さな物語。
まだまだこの先も続いていきますが、ストーリーテラーも1人の人間。短い命の分、最近は「いかに多くの作品を後世に遺すことが出来るか」という事も同時に考える様になりました。創りたいものを創りたいだけ創る事が出来る という、創り手にとってはこの上ない贅沢な環境が今はあります。多くの作品 という意味では自惚れることなく、その精度を高め、今まで通り背筋を伸ばして取り組んでいく所存なのですが、、、、どうしても引っかかることがあるのです。




それが、
「範囲」の拡大です。






範囲とは、この極東の島国でしか遺せていないということを意味します。僕の描いているASKYYの物語はご存知の通り、さらに壮大なもので。例えば主人公が同じステージで同じような敵と戦っているような、そんな物語なんて面白くないじゃないですか。

2年前、せっかく取り扱いが決まったヨーロッパのお店もコロナで頓挫。順調に歩を進めたかのように思えた海外進出も本当の意味での進出はまだ出来ていない状態でした。それもそれでストーリー性はあるのですが言い訳して狭い場所でぐだぐだ御託を並べている主人公なんて誰も見たくない。悔しい思いは心臓の燃料として燃えたぎる。外に出ることが出来ない分、深さを求めていたこの1年もその火を絶えず燃焼させる着火剤としては充分過ぎるものでした。










そんな思いを繋げ、この2022年の終わり。
今日は皆様に大事なご報告があります。







店頭のお客様にはお伝えしている方もいらっしゃいますが、、
約2週間後。










ASKYYはパリにて本格的なデビューをします。













場所はパリ最大の展示会。「TRANOI」

このブログのパリ日記でもよく登場していたトラノイ。

ついにそのステージへ上がる時がきました。









今までと大きく違う点は、その規模感。

パリコレ期間中は世界のバイヤーやアパレル関係者の多くが来場します。

(2018,6月)










各国の旬なブランドが集まり、ひしめき合うその会場。今までのショールーム形式と違い、分母が圧倒的に多く、自ずと評価もわかりやすい。

この2年、コロナ禍によって様々な方向転換をしたブランドやショップを横目に、僕はフィジカルでの展示会が戻ることを信じて、ひたすらこの日のために集中してきました。もちろん適応する部分はしてきましたが、主流になっているオンライン展示会は頑なにせず貫いてきた部分です。

コロナで合同展自体でさえも下火と言われている中での出展。パリに来るバイヤーの絶対数も少なく、厳しい状況が予想されますが逆境こそ僕にとってはモチベーション。しかも今回は日本から出展するブランドもうちをいれて2,3程度しかありません。

無謀と思える挑戦ですが、

最後のパリで確かに光を見たのです。

(今回の会場)

出展も当然相応の費用がかかりますが、賭ける価値があると思っています。

ASKYYはもっと着られるべきで。

皆様のおかげでこの大舞台に立てることを誇りに思います。








擦れた業界人から言わせればメジャーデビューなんて大袈裟じゃんって思うのでしょうが、そもそもコネもなく独学でここまできました。。販売方法や従来のシステムに疑問を問いかけながら理想の形を追い求めた結果で、ここに立つんです。これをメジャーデビューと言わずしてなんと言うんでしょうか。

ブランドを立ち上げて間もない頃、目を輝かせて
「いつかこんな大きな会場で勝負出来るほどの資本と力をつけ勝負したい」 
と思っていた自分に言いたいです。

現実になった と。

本当にお客様には感謝しかありません。

「アスリートはオリンピックなどあるがクリエイターはどうか」ということを最近書いていましたが、僕にとってはまさにこれがオリンピックと捉えています。勝手に日本を代表し、戦ってきますね。

22aw、23ssを並行しながら23awを創り上げてきたハードワーク。しかも今回展示する作品は海外でしか展開する予定のないもの。日本での販売は予定しておらず、国内は国内の別コレクションとなります。

出展までがゴールではなく、お取り扱いが決まるまでが勝負。過去最高の作品群を引っ提げて行ってきます。これで惨敗だったら笑ってください。また懲りずに戦います。

最後に。

22awのLOOKのとある1ページ

右隅の「17/01/20/23 RV」

並び替えれば2023年1月17日、これは僕が出国する日で、RVはREVENGEの略。

このLOOKを出した半年前にはすでに決意をし本格的に着手していたことを示します。

22awを公開しているのに1年後の23awを作っている という違和感をいまだに感じますが、ここでようやく皆様に発表出来て嬉しいです。

ブランドは物語と考えていますし、始まりがある以上、終わりがある儚いもの。

どんなエンディングがまっているか。

これからの長い物語、お客様と共に紡いでいけたら幸いです。

ここからが、ASKYYの本編です。

それでは良いお年を。






2022年12月31日
吉田

ASKYY TOKYO FLAGSHIP www.askyy-shop.com

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