「そのパンツどーなってんの?スカートついてんの?」
アトリエパンツをご着用頂いてるお客様はこの言葉を言われたことがあるかもしれません。
「・・え、逆になんでそっちはついてないの?」
って僕は返してますが(性格に難ありで草)、皆様はいかがでしょうか。
ファッションに疎かったり楽しんでいない人ほど免疫がないので「見慣れないもの」に対しては、それこそ雷ほどの凄まじい衝撃が走るのでしょうが、まぁ裸ではない程度の「機能」として服を着ている方には到底わからない価値観ですよね。
ファッションは理解され難い自己満であると共に、誰がなんと言おうが着たいものを着るのが正しいじゃないですか。例えば鳥とか昆虫の進化の過程や本能をみてればわかることですよね。(思考強いけど大丈夫そ?w)
僕自身、そういった絡みを間に受けたことは当然ありませんが、作り手としてはやはりその垣根を責めたいって思っていて。奇抜すぎてもダメでリアルクローズすぎてもダメで。
─────── その答えをこのブログに全て詰めておきました。
22aw、3作品目。

渾身の作品であり、パンツの中では今期の圧倒的主役。
、、ただ作っただけではありません。

いつにも増して長編小説なので多分読んでると朝になると思いますけど、どうぞ宜しくお願いします。
序章
ASKYYがトップスとボトムを繋ぐ役割として重きをおいてきた、「腰回りへのアプローチ」。
レイヤードものが多いことも当然その哲学ありきの産物ですが、トップスではなくボトム単体にその要素を組み込むことができないか。
そのパンツという”狭きキャンバス上”で形成された作品こそが、
あのアトリエパンツでした。

2018 Model : “No name” 初期プロトタイプ
いくつもの試作品から、長い時間をかけ出来上がった1ST MODEL。

2019aw “ATELIER PANTS”
様々な仕掛けを組み込み、力の抜いた男らしい領域へ侵入。

気がつけば、ドーム5万人の前でスポットライトを浴びる という大役を果たしていました。Mr.children桜井様ありがとうございました。

時が経ち、その後薄手に変更した春夏モデル版を発表。

2021ss ATELIER PANTS SSMODEL
産み落とした子を進化・成長させることがブランドとしての責任と役目。

そして出来上がった作品が、

21ss “ATELIER PANTS 2ND”

でした。
2ndはエプロン部分が取り外し可能になり、
腰にシャツを巻いているようなグランジ方向へとシフト。

当初の「腰回り部分のアプローチ」を尊重しながらも、機能面を追加した作品。
そういった歴史的背景を汲んだ上で取り組んだ今回の「3rd」、
ただの進化ではいけないと本能的に感じていたんでしょうね。

言うて、うちのパンツの代名詞と言われているポジションですから。
それはそれは荷が重い。
LOOKで少し感じ取っていただけているかもしれませんが、今季はほんのりミリタリー感を感じていただけているかと思います。ラフにかぶったバラクラバもその因子の一つ。

8割の繊細さと2割の毒。8割の善と2割の悪。
一滴の影響で何かががらっと変わるように。
世界を面白くするのはいつも2割の部分の筈。
その、1つのキーである「武装」を施し、アトリエパンツを再構築したのです。
「腰回りの布」がもたらす意味と事象。
「ミリタリーパンツ」という解釈さえも破壊し新たな場所へ導く事。

それでは、ご紹介いたします。
ATELIER PANTS 3RD -MILITARY EDITION-

Code:3/7
Season:373
Model:M10
Color:BLK
Material:Polyester57%,Rayon33%,Acryl7%,Polyurethane3%
Size:1,2,3
このLOOKにはうっすら商品名の記載をしていたので拡大されたお客様はお気付きだったかも。

自分でいうのもあれですが、おそらく数シーズンの中でも有数の作品だと思ってます。

各箇所ごとにご説明させて頂きます。
エプロンガジェット

装いを新たにしたエプロン部分。
その名前通り、アトリエで作業するイメージはそのまま。
ミリタリーという解釈から派生し、「ガジェットとしての役割」を付与。

エプロン側にポケットがつき、ベルトの付け外しでアレンジを可能とします。


逆の視点で見るならば、ミリタリーパンツに「モードさ」を与えたという方が正しいかもしれません。
アトリエパンツにミリタリー要素を加えたのか、
ミリタリーパンツにアトリエパンツ要素を加えたのか。
出来上がった今では僕としてもどちらかわかりません。

ただ、真逆の性質である両端が一つになった結果生まれるものは、
革新以外の何ものでもないなと思うわけです。
それぞれが無くては成立しない まで成れば、それは人類が陸に上がったように大きな進化を促したと思えます。(劇場型な性格)
1stと2ndと大きく違う点は、ヒップ周りの布を無くしたこと。

今作は「フロント側のみエプロン」の設計。
前作よりも無骨さが増した印象でしょうか。スカート感は更に消え去りました。

ホールドしている場合、

ラフに垂らしている場合、

スタイリングの雰囲気が変わるところもポイント。
コーデによってアレンジしていただければと思います。
取り外しは出来ない仕様です。
ミリタリー要素の決め手
膝部分の大きなポケット。

「theミリタリーパンツ」を感じられる箇所かと思いますが、
いつものように裁ち切りで仕上げ、ワーク感を軽減。

更にはフラップをつけコンパクトな見た目になるよう野暮ったさを抑制しました。

位置や角度も修正を重ねた黄金比。
足が綺麗に見えつつも、屈伸時のストレスがないよう調整しています。
その辺のミリパンってワイルドになりすぎたり、金具等のパーツでデコデコしいものが多いじゃないですか?ポケットの膨らみが大きいものも多いですよね。
そういった意味で、ミリパンの中で極めて重要な箇所といえるのが膝ポケだと思っているのですが、差別化を図る意味でも慎重に品よく仕上げた箇所となります。
双方のポケットはもちろん収納可能。

バッグいらずの収納力。

ちなみに本体側は左側もポケットがついているので
両手突っ込めるようにしてます。

ヒップも同様にフラップポケットがあります。

2wayシルエットの実現
お分かりいただけると思いますが、

裾から膝部分までファスナーを装備してます。

これ、今シーズンのポイントの1つで。
ファスナーを開くと大きなマチが仕込んであり、
シルエットを変えることが出来るという新たな機能。

ミリタリーというギミックがあるからこそ出来たデザインです。
他のLOOKでもご確認いただけているかと思いますが、今年のパンツはフレアシルエットをご用意していて。
フレアってレディースからの流入も大きいコンテンツですが、メンズでも着用率ほんと増えてきましたよね。当然流行りもあるのですが、定番が多いメンズの場合、結局その時その時で「何にフォーカスしているか」ってだけなので問題ないかと思います。だってこれに関してはシルエット変えれるし時代に順応できる(ドヤ)

フレアの場合、トップスはなるべくラフなスタイリングほど相性がいいかと思います。
シルエットやコーデは後半にごゆっくり。
ちなみに、ファスナー閉めれば普通に細いのでご安心ください。

呼吸するコード
軍物のパンツに見られる膝ポケ部の止血テープ。
戦争で傷を負った際、血を止める為に付けられた伝統のスペックですね。

ASKYYの「垂れるコード」と昔からの「セオリー」がリンクした瞬間。

歩いている時の揺れは武装感ありながらも、同時に詩的な空気感が漂います。
ほどよいドレッシーさはこの辺のギミックの存在が大きいでしょう。

この盛り盛り感、ほんと最高。
生地
ミリタリーパンツときたら一般的にはマットで地厚なキャンバスライクな生地。
うちは品性をもたせる為にスラックスのような小綺麗な素材に合わせることで帳尻を合わせています。

こちらも今期初めて採用した新素材。
写真では伝わりづらいかと思いますがジャージーでとろとろな履き心地。

ストレッチ性も大変強いので見た目の割にめちゃくちゃ履きやすいです。
今まで作った歴代作品の中で近い素材は、ATRLIER PT 1ST、EASY SLACKとかNAPOLEON TROUSERSが挙げられます。
生地のドレープ感、落ち感がとにかく綺麗。

見た目だけではなく、優れた吸湿発熱・保温機能を持つハイテク素材。
つまり内部のムレを外に逃がすスペック。
こういったテック系生地、まぁまぁ久しぶりですよね?いつもはガシッとな感じの生地が好きなので使用頻度少なくなっていましたが、こういった「強め」なアイテムにこそ出番と思ってたので、ようやく召喚。
ハードなミリタリー要素を緩和してくれる役割を果たします。
化繊を用いている分、取り扱いも楽で洗濯機にそのままぶち込んで頂いて構いません。(ネット+おしゃれ着洗い)既に洗い加工は済ませているので、洗濯後の変化も少なめ。シワにもなりにくいのもポイントかと思います。

気軽さ
見た目がハードな分、少しでも気軽に履ける手軽さが欲しいすよね。

ウエスト部分にはドローコードを設置しました。
膝の止血テープと連動させる為、やや長めに設定。
ジャージを履くぐらいのテンションで履けるようにしたので、存分にお楽しみください。

シルエットについて
ゆーき君(177cm57kg)でSIZE2を着用。

もも周りはゆるめ、膝下からキュッとカーブして細くなっている綺麗なシルエット。


全画像SIZE2ですが、ゆーき君の場合SIZE1でも着用出来ます。
ビタビタな細身というよりは、シワが多く出るように設計してるのでルーズ目で着用頂いてもデザイン上問題ありません。
いつものように、股下部分には三角のマチがあるので可動域が広い作り。

足が太いなーってお客様もある程度伸びがあるので、今作はウエストで決めて頂くのが良いかと思います。裾はくしゃくしゃっと皺が多くなるのが正解です。


色展開
黒の一色勝負。

これはもう、他の色を考えることが出来ませんでした。
迷わず凸れますね()
コーデ
LOOKではプルオーバースウェットの下に着用しています。

なるべくそういった「シンプルでカジュアル」なアイテムほど相性が良いと感じます。コツは武装感を緩和することでしょうか。
あとはMA1とかのミリタリー路線で完全にハメにいくか。
この時期はカットソー1枚で余裕で。

少し肌寒くなってきたらロング丈系で。

冬はかちっとライダース系やメルトンコートと。

見た目以上に、難易度はイージーかと思います。
価格
パンツは本当元がとれないカテゴリ、、
ここまで作り込むとジャケットとかブルゾンの価格帯を軽く超えてきますからいつも頭を抱えます。いつもこの価格の欄でわーわー書いている気がしますが、
それでもなんとかやるのが吉田。
過去のアトリエパンツは1st 49,000円でした。
今回は生地のアプデ、ミリタリーディティールを含め
53,000円(税抜)です。
22awのパンツについてのリーク
いつも商品を発表するたびにお客様からお問合せを頂く、
「これに近い物でますか?」的なご質問。
今回の場合ですと予想されるのが「パンツは他にどんなもの出ますか?」でしょうか。ええ、メンタリストなんでわかります。
このブログでも類似系の商品構成をなるべくお伝えするようにしておりますがその答えはというと、「残り2作品」です。
1つはシンプル目な細身。もう1つはフレアな細身。今作を合わせるとパンツは合計3型ということになります。
フレアは難しそうだし、シンプル目なやつは結構もってるしーってお客様は、ここが落とし所かと思います。

シーズンを象徴するメインアイテム。
あまり商品内で優劣をつけたくはありませんが、時間や費用をかけ作り込んだものはやはり愛着が変わるのも当然で。
顧客様方には是非1本お持ちいただきたい作品。
販売方法
いつも通り、直営店・通販同時刻にて発売開始。
ステッカーも復活したので同封します。
QR10も絶賛配布中ですので頭の隅っこに置いておいてくださいませ。
(早い方は既にQRコード3枚目なんですよねw それまでに例のブツ間に合うかな、、)
最後に
以上となります。
長文のお付き合いありがとうございました。

代官山も徐々に涼しくなってきて秋の雰囲気がそこまできているような気がします。
さすが、山。
「パンツから始める秋」 もまたいいのではないでしょか。
パンツとしては高額の為、生産数に関してはいつも通り少なめです。
即完はおそらく無いかと思いますが、、
バイブス高めのお客様方、是非是非ご検討くださいませ。
ASKYY渾身の初カーゴパンツ、
土曜12時、どうぞ宜しくお願い致します。

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ATELIER PANTS 3RD -MILITARY EDITION-
BLK https://www.askyy-shop.com/items/66083786
ASKYY TOKYO FLAGSHIP Appointment ▶︎ info@askyy-official.com