22awも4週目となりました。
淡々と毎週ルーティン化させて進めておりますが、行為自体はルーティンでも内容は1作品ごとに個性も違えば出来上がる過程のストーリー性も違いますのでこなしとは程遠い作業です。こうして書き始めている今でさえ、先週とはまるで違う自分がキーボードを打っていますしリセットされた0視点で創作時の回想をしています。
機械的なシステムを構築してしまえばビジネス的にみても費用対効果でみても至極簡単な話ですが、そういったメジャーで血の通っていない事は自身にそぐわないですしそれは他社やAIでいいですもんね。
1作品ごとにかける想いをゆっくりご紹介していきたいものです。何が言いたいかって、改めていつもご愛読いただいているお客様には感謝だなぁと。
というわけで、今週も、始めます。
今回のブログは、「シーズンの核」にも言述した長文。
お時間がございます時にお読み頂ければ幸いです。
今期の顔であった本命、ようやく登場。

序章:経験則と閃き
あれは去年の冬。
ASKYYも設立から5年を目前とし、同時に、レイヤードへの追及も5年経とうとしていた頃の話です。
トップスとボトムを繋ぐ役割を果たすレイヤードのアプローチも、到達すべきところまではきたと実感していました。ここまで繰り返し作り続けていると今ではお客様に受け入れて頂いたのだと思えます。
ここ数年は上ではなく下を向き、地に根を張り巡らせてきましたが、荒野だった乾いた土地に水が浸透し草木が芽吹き出したような、一種の安心感がありました。
次はその芽を育て、葉を伸ばす為、
ASKYYとして何をすべきか。
すなわちレイヤードによる上下の接続点を完成させた次に、

新たなフェーズへ行くには───────。
遊ばず、眠らず、そんな事を考えていた先に見えてきた境地は、
「新たな階層」の発見でした。

創り上げた土台があってこそ、見えてくる新たな階層(レイヤード)があり、
土台によって生かされるものがあると気付きがあったのです。
トップスとインナーの空間。
この狭き部分こそが、レイヤードありきの上に成り立つ、未開のエリア。
「つまり新たなレイヤードを作るってこと?」
「それってASKYYが掲げている、ミニマル・合理性・退廃性。この3原則に反するのではないか」
ってことになりそうですが実際は少々違っておりまして。
ミニマルは”ただ引くこと”で完成される美学ではないと思っていて。
そもそも「レイヤード」ってミニマルでなく、どちらかというと装飾性があり「プラスする」ベクトルの行為。でも不思議なことに、圧倒的なミニマルさを保持できていますよね。
この矛盾を決定づけていたものは何か。
そこに存在する概念は何か。
その問いの答えは、実はすぐそこにありました。
それは、
マキシマムな内容・相乗効果にも関わらず、見た目がそれに相反してミニマルだったから。
単純ですがその理屈に尽きると思うんですね。見た目がシンプルなだけのものは誰だって作れます。それに相応しいマキシマムな内容が備わってこそ、価値があるもの。
“このギャップの差こそが本質的なミニマルの答え” なのだと思います。
内容の濃さに反した見た目のフラットさ。
新たな階層は、「一見プラスしたように見えて、実は最大限の功績を担う産物」と捉えています。あくまでも仕上げはミニマルに。

言語化すると難しくなってくるので、見て頂く方が早そうですね。

ご紹介いたします。
ATELIER VEST

Model:M25
Code:3/7
Season:373
Size:F
Material:COW LEATHER100%
Color:BLK
Model:M26
Code:3/7
Season:373
Size:F
Material:COTTON90%,WOOL10%
Color:BLK,WHT
その名はアトリエベスト。

アクセサリーであり、ジレ。あるいはタクティカルバッグ。


多用途にご利用頂ける新たな「レイヤードパーツ」。
今シーズンのLOOKでも常に身につけていた最重要アイテムとなります。


この謎の物体、
少しずつ紐解いていきます。
絶対領域
冒頭にありますが、トップスを羽織った際に見える空間へのフォーカス。
この役割と効力、

お分かりいただけますでしょうか?
ある場合とない場合を想像して頂けると分かりやすいです。
羽織を加えた場合もわずかに見えてくるトライアングル部分こそが重要なポイント。見えなくても意味がないし、分量が見えすぎても重い。

ひたすら生地を刻んで研究しパターン化。
ワンショルダーにすることでトライアングルを創出し胸元の絶対領域を確保しました。

新たなレイヤードパーツとしてのご提案ですので、他のアイテムの邪魔をしないことは絶対的な前提としつつも

使い方によっては主役となるように。

見た目の割にコーデは全く難しくありません。
フロントにただ三角がはみ出すだけ。
ただ、それだけのこと。

「ミニマルであり、効果はマキシマムに。」
普遍性
タクティカルベスト自体、レディースブランドをはじめ、多くのブランドが取り組んでいて、数年前が最も盛んに浸透した印象です。ハイブランドでもLVヴァージルあたりが挙げられるでしょうか。あれはヴェストというよりハーネスか。
一方で、RICK、BORIS、CCPなどのアルチザン寄りなとこは昔からコンスタントにリリースしてる印象。(大体2,30マン超えてるけど)
ASKYYの場合、今シーズンの一つのエッセンスである「武装」だったり、新たなレイヤードパーツ としてのご提案なので、いずれの場合でもアプローチや意図そのものが大きく違いますが、カテゴリとしては同ジャンルのアイテムになるのかと思います。

それでも、世の中にあるものは大半がワークっぽかったり、なんていうか、釣りするときのアレみたいなやりすぎたものも多いですよね。バッグバッグしてるのはASKYYに合いません。
ここからは細部について記述していきます。

ポケット
薄い見た目の割に収納力は高め。
名の通り、アトリエシリーズとしてその機能を果たします。

胸部分にはスマホがすっぽり入るサイズで袋布を設定。

横に開くジップはカード類が入る大きさ。

今の時代としてはAir podsあたりの小物でしょうか。
僕の場合はロキソニンと眠剤がマスト。

アームホールのバランス、胸元の三角や、ベルト位置。
通常の服を作るよりも時間がかかりました。
ショルダーベルト
サイドのベルトと、

肩上のベルト。

ASKYYのアイコンである垂れる紐はここでも健在。

布だけで構成された一般的なアシンメトリーベストという領域からの脱却。
こういったギミックで少しのミリタリー要素を注入。
肩の真上から見た場合はこんな感じ。


背面にも同様にベルトがあります。

そう、後半に詳しく記載しますが、今回は布帛とレザーの2タイプでご用意。
それぞれでバックルの仕様も変わります。

レザー生地の方はシルバーでツヤがあるラグジュアリー仕様。
どちらかというとバッグっぽい印象が強め。
一方で布帛はマットブラックを用いていることで服っぽさと言うかジレっぽい印象。
どちらもそれぞれにメリットがあるので結構別物です。
側面のアプローチ
以前リリースしましたベルテッドニットを彷彿とさせる、サイドベルトとそのパネル。


横から見た場合はこんなフォルム。

絞りすぎず、程よく緩めに留めて頂くのが良いかと思います。


流線形の背面
フロントのトライアングル部分だけでなく、背面から見た立体性も細かく計算。

なだらかな曲線を描き、身体に馴染むような一体感。

背面にもベルトを垂らし、構築的なフォルムとしました。

2種の素材について
今回は、2種類の生地で製作。
レザー版と通常のレギュラー版でご用意。

素材ごとにご説明いたします。
REGULAR TYPE

この生地、実は先日発売致しました「Y LAPEL LONG JACKET」、
そしてまもなく発売する新作ライダースと同素材で仕上げています。

つまるところ、それらと合わせることでレイヤードの効果が最大化する仕掛け。

+ Y LAPLE LONG JACKET

+ ◯◯ RIDERS (COMING SOON)
例えばスーツ+ジレの合わせってあるじゃないですか?あのイメージでジャケット+ジレ、ライダース+ジレといった2ピースになる仕様。
贅沢なオプションです。
それこそ車とか家買う時って色々オプションつけてしまうとおもうんですけどそんな感覚。
先日Y LAPELをご購入頂いたお客様、このライダースをご検討中のお客様は是非2ピースで合わせてみて頂きたいです最強なので。。ちなみに Y LAPEL LONGは近日中にリストック出来そうなのでまたアナウンスさせていただきます。
LOOKのように外側に装着頂いても違和感ありませんが、

リアルなところでいえば内側に仕込んでさりげなく主張する使い方ですよね。
どちらも同じアイテムを着用していますが、外側と内側でここまで印象が変わります。

Y LAPELの時と重複しますが、軽くおさらい。
生地の段階そして縫製後の2段階で洗いをかけ芯から柔らかくヌメ感あり。


ウールの膨らみと、コットンの着古したアンティーク感。
ウールといえど、風合いを持たせてる程度なのでこの季節でもすぐにお使いいただけます。
夏はカットソー1枚で色々成立する主役級アイテム。

LEATHER TYPE

そして、今回3点のみご用意したレザータイプ。特別な限定品。
革は「毎回ASKYYで使う表革」を使用。今までリリースしたアイテムですとREMOVABLE RIDERS,2WIN ZIPPER RIDERS,ZIP DETAIL RIDERSなどの表革が挙げられます。

国内最高級の牛革でタンニン鞣し。美しい経年変化が期待できるやつ。

オイルを多く含んでいるので柔らかく、体に馴染みやすいという特徴。表面は熱処理により程よくマットに仕上げ着用ごとに艶が増していく特性。

高級感ありますよね。
レザータイプは合計3点のみの生産につき、限られたお客様だけの作品となりますが是非手に入れてくださいませ。全て職人による手仕事で少量生産ということもあり当然値段は上がるのですが。。
REMOVABLE RIDERS,2WIN ZIPPER RIDERS,ZIP DETAIL RIDERS、これらの表革レザーアイテムをお持ちのお客様は是非レイヤードしてみてください。
レザー同士の重ねはもう、最強かと。

HOW TO
ここからはコーデに関してご紹介していこうと思うのですが、LOOKでの登場頻度がレベチで気合い入ってるので一挙に羅列してみます。
・LEATHER


・WHT




・BLK



今まで解禁してきたLOOKだけでもこのバリエーション。
新しいものはやはり具体的な実例多い方がいいですもんね。
僕とゆーき君バージョンも。






正直なんでも合うことがお分かり頂けるかと思います。
ショートでもロングでも、内側でも外側でも。
秋はシャツやカットソーの上に装着するだけ。
冬はアウターの下に装着するだけ。
あとは、色や素材の切り替えでしょうか。
同系色で馴染ませるか、アクセントとして使うか。
一番抵抗感なくリアリティがあるのはアウター類の内側に仕込むやり方ですよね。

「1枚布を差し込むだけ」っていうスタンスでお迎えくださればイージーです。
その中でも、WHTは一見難しく思われるかもしれませんがインナーは白が多いってお客様に最適で。白シャツや白カットソーの上にほんの少し味付けする程度が良さそう。

目立たせる使いかももちろんokです。


レザーに関しては布帛版よりも「アクセ感」があります。
ボディバッグっぽくいける感じ。

特にインナーはスウェットやニット類など柔らかい質感のアイテムほどそのコントラストが際立ちます。例えばざっくりニットにこのベスト着てるだけとかめちゃ良くないですか?
毎回のコーデが楽しくなるような逸品。
価格
通常の布帛タイプは¥42,000(税抜)
ベストとしての概念で見れば少々高く感じられかもしれませんが、タクティカルバッグとしてみて頂ければ嬉しいです。(ちなみに以前リリースしたレイヤードジレは35000)
今後確実に核となるポテンシャルを踏まえても、新しいスタイルを簡単に作ることが出来る作品ですのでそれほど価値のあるものと思っています()
そして、レザータイプは¥89,000(税抜)。
3点のみという超小ロット生産の為チャージアップした価格になってるのが申し訳ないのですが、、いや、逝くならこれっしょっていう猛者パイセンのご検討をお待ちしております。
もはやショーピースに近いので是非手に入れて頂ければと思います。
直営店限定
当商品は、ASKYYお取扱い店様での展開はなく、直営店・直営ECのみでの展開となります。
販売方法
直営店・通販同時刻にて発売開始。
配送は週明けすぐにお送りできます。レザー版のみ少し納期が遅れているので1週間から10日ほどお時間いただきます。
最後に
というわけで、
新しいカテゴリ。
新しい階層。
いかがでしたでしょうか。
本音はASKYYをご着用頂いている顧客様全員に制服レベルでお持ちいただきたい勢いです。
文章だとそこまでゴリ押し感ないかもしれませんが、LOOKのカット割や今回の着画数だけでみてもお察し頂けるかと思いますw
プライベートで夏から使わせてもろてますが脱マンネリでほんと使えます。

(軽井沢のアウトレットでサマンサタバサとセシル爆買いしてた時)
22awのコンセプトである「NO LAYER」、
それどころか今作は 「NEW LAYER」 なわけですが、その真意は冒頭にあるミニマルがどうこうの話よりもさらに深層部にあるのでまた少しずつ。
というわけでいつも通り土曜12時、
どうぞ宜しくお願いいたします。
動画、気合い入ってます。
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