無事2021年の営業も終了いたしました。
今年もたくさんの愛を頂き本当にありがとうございました。
2021年もASKYYらしく、順調に目標までの歩を進める事が出来ました。
舗装されていない獣道を少し抜けたような、生い茂った樹木の隙間から太陽光が見えたような。
暖かい安堵感に包まれながらブログを綴っています。
毎年恒例ながら、この一年を丁寧に回想し振り返っていこうと思います。
2017年から始まったASKYYという小さな物語、
時は進み、
現在はPHASE Ⅲ 真っ只中。
コロナ禍の中、新店舗への拡大。
代官山内で3回目の移転。
青白いネオンが、人知れず静かに灯り、
3月某日、PHASEⅢが幕を開けました。
1階と地下1階で構成された2フロアは
“土台を固める為に下を向き、根を下ろす”
という意味でもASKYYらしく、新たな城として地に足をつけています。
路面である1階は、その週に発売する「1型のみ」しか飾っていないという、はたから見れば謎多き店で知る人ぞ知る隠れ家。
この物件の特異性や欠点を利点に変え武器に出来るのは、最早うちのスタイルでしか成し得ない、まさにASKYYの為の箱だと思えます。
2021SSは世の中も自粛規制がかかる閉塞的状況でしたが、
それと相反し異国の地へ旅情を馳せるボヘミアンでネイティブなスタイルを発表。
他社が保守的なモノづくりで凌ぐ中、
ASKYYは遠い地へ思いを馳せ、それをひたすら、
ただひたすら形にしていました。
凝り固まった「らしさ」を捨て、リスクを承知で新たな何かを獲得しにいったのです。
煙を吸い、深く吐き、我を貫くこと
それは今後も一生変わりません。
その精神的な部分も作品に投影され、男臭いグランジのスタイルも徐々に地盤を固めました。
自らへのアンチであると同時に、根底にあった反骨性を露わにした作品群。
22SSで、それはさらに加速化する事でしょう。
2021年でいえば新たな部門-SECTION OF D- も記憶に新しいかと思います。
1年に渡り、染めの作品を創り続けました。
職人の手によるアーティザナルな作品は、ASKYYのモードを更に無骨なコレクションに仕上げ、領域を拡張。
皆様にお気に召していただけて嬉しかったです。
SSで吐いた煙の余韻が渦巻くなか、
新たなシーズン「21AW」が始まります。
タグも新調し、
更に血の純度を高めました。
二面性のある「春夏」と違い、「秋冬」は核となる本人格に全勢力を当てるシーズン。
特に主要作品であった
初のスーツも、
初のダウンも、
数分で完売でした。
これもまた、皆様にお気に召して頂きとても嬉しかったです。
初となるものは多額のコストもかかりますし挑戦の部分が大きいため相応の不安も伴いますが、それはお客様が数分で解決してくれるんです。作り手にとって、こんな幸せな事はありません。
そして商品以外の部分では、
2021から信頼の出来る卸先様も増え、新たな仲間に加わっていただけました。
姫路のOwls様、広島のR&Co様 ありがとうございます。
初期から取り扱って頂いているR&Co.表参道様、starman六本木様、LOGY京都様もずっと継続して頂いていることに感謝です。
ブランドの勢力を推し量る上で一つの指標でもあった、「どこで取り扱っている」や「どれだけの店舗に卸している」という時代錯誤な考えは、僕自身至った事もありません。
この先も「お取り扱い頂くということとは何か」、その本質を忘れず、うちはうちなりの哲学で進めることが重要と感じています。
さらにはずっと構想を進めていた1W1Rに続くシステムをローンチし、
既存のアパレルにはないインディペンデントなシステムをご提案いたしました。
“セール”ではない新しい何か。
お客様目線で考え、ブラントとしての在り方を考えた結果辿り着いた”コト”です。
そうして、
様々な試行錯誤しながら過ごしてきたこの1年。
気づけば
・1着しか掛かっていない店
・すぐに移転する店
・1週間毎に1アイテムが発表・発売される店
・ブランドなのにコレクションが揃わない店
・生産から販売まで全ての業務を1人でやる店
・セールをしない店
などという、一見 奇をてらっている様な業態の集合体になっていました。
でも、
これはASKYYを導いていく上で獲得してきた必然なる”自然選択”だったように思います。
皆が寝ている間に寝ずに働き、皆が遊んでいる間に物事を深く掘り下げ真理の海を冒険する。
節目のブログでいつも言っている事ですが、思考停止せず、淘汰されぬよう様々な変化を繰り返し貫いてきた結果の産物だと思うんですね。
ただ奇をてらい格好をつけているようなウワベなものでなく、
確固たる裏付けがあるものこそ、
本当に「確固いいもの」
僕はそう信じています。
先日のブログでも書いておりますが、来年2022年3月にてASKYYがいよいよ5周年。
ASKYYがというより、僕がこの会社を設立して5周年を迎えます。
改めて、ここまでのご愛顧、感謝しかありません。
5周年というターニングポイントを皮切りにし、
2022年も大きな変化を起こします。
「反骨精神としてのロックの表現」という事は22SSについてのブログでお伝えしておりますが、それ以外にも5/7のラインが充実することに続き、
・いよいよ1/7の新ラインも登場
・新たな-SECTION OF ◯-の立ち上げ
・そして、もう1つのSECTIONも立ち上げし
・5周年を記念した特別企画やNEWSが立て続けに起こります。
・さらには異業種となる新事業を展開します。
すべて実現するので楽しみにしていてください。
そして、なんといってもPARIS出展の再起です。
海外サイトに掲載頂いた事も今年の出来事でしたが、
海外での挑戦は今後も辞めません。
コレクションの発表をパリに移して3シーズン目という時期でのコロナショック。
あの時は海外の卸先がぶっ飛んで、ただ呆然と立ち尽くしていましたが、もともと全てを賭けて挑んでいましたから、今思うとコロナなんて容易いことだったなって思えます。
コロナによっていわば鎖国状態になった極東の島国。
その間、国内で集中し力を蓄えました。
お客様のお陰で、新たに築き上げることが出来た事もたくさんあります。今は根拠のある自信しかないですね。
6月にパリコレがフィジカルで復活する事を信じ、うちも国際的なルーティンに戻し本格的に戦う準備を始めました。
海外展開も引き続き応援頂けると幸いです。
と、
直近の未来について語りましたが、その有言実行は当たり前として、
“もう5年経ってしまっている” というのが僕の今の正直な今の感想なんですね。
目標や野心が大きすぎる故にまだまだその扉でさえも見えない位置にいるのですが、1段飛ばしもせず、その目の前の一歩を大事にしながら引き続き堅実に進んでいこうと思った2021年の終わり。
気づけば長くなりましたね。
このまま書いてると年を越してしまいそうなので、この辺にしておきます。
長文読んで頂きありがとうございます。
皆様にとって、来年も良い年になりますように。。
最後に、
“あの時の自分”に伝えたいことがあるのでそれを書き殴らせて頂いて終わろうと思います。
5周年の一区切りとして。
また来年もよろしくお願いいたします。
5年前の自分へ───────
・物欲が元々ないあなたですが、欲しかった少数のものは大体手に入れています。
おめでとう。
しかし、
経営者しか知り得ない不安や強い孤独を同時に得る事になります。
・夢を馳せながら計画した30年先の分厚い事業計画書とは、大きく違う方向で進んでいます。
・創り出した、いわば”自分の分身”ともある作品が評価されない場合、自分自身が否定をされているような酷く辛い感覚に陥ります。それは作品を発表する毎に感じる重圧となります。
・海外進出をしますが本当の意味での進出は出来ていません。
・見向きもされない屈辱を味わいます。
・思い描いている理想の自由とは真逆の生活が待っています。
・現在の貴方より、5年経った今の方が必死で働いています。
でも、
落ち込まないでください。
5年後、
あの時想像していたよりも遥かに多くのお客様が支えてくれています。
そして貴方には仲間が増えています。
1人ではありません。
・ コロナという大不況時代がきますがその逆境にも負けず、貴方は一点を見つめながら必死に階段を登ります。
・ 周り99人が右を向いていたって、あなた1人が左が正しいと思ったならその道を今まで通り進んでください。
・ “思い描いた自由” とは確かに違います。
しかし、そんな浅はかなものとは比べものにならないほどの恍惚な生きがいと人生の喜びを感じています。
・ 事業計画とは確かに違う方向ですが、30年先だったものが50年先までの壮大な目標に膨らんでいます。
・ 貴方は初心を忘れるどころか、 あの時よりも強い気持ちと野心を持っています。
自分を信じ、貫いてください。
やっている事は間違っていません。
「やりたい事」が いつしか「自分がやらなくてはいけない事」 に変わる時が訪れます。
その使命感こそが全てです。
-何かの分野で日本を代表し、世界で成し遂げたい-
あの時のピュアな気持ちは、ずっと持っていてください。
5年経った今───────
少し近づいている実感が、
確かにあります。
よいお年を。
2021年12月31日
ASKYY TOKYO FLAGSHIP