VERSE1186 [2025年締めのご挨拶]

みなさま、
本年もASKYYへのご愛顧、誠にありがとうございました。
無事営業を終えました。
日々支えられていることに改めて感謝したします。


今日は少しだけお話を。

うちの会社、LIMbは2017年3月に創業しました。
2027年3月で10周年を迎えることになりますので、残すところあと1年と3ヶ月ほど。
ひとつの節目として語られる「10年」という時間も、気づけば現実的な距離にまで迫ってきました。

振り返れば、随分遠くまで来たようにも思えます。

(2025 Autumn Winter -KEPLER-186F-)

それと同時に、
ようやく入口に立っただけ のような感覚も否定できません。

この時間をどう捉えるべきか。
それを考えること自体がここ最近の自分の仕事の一部になっています。
進んだ距離と積み上げた密度は必ずしも比例しない。
その矛盾を抱えたまま歩いているのも自分らしいなと思うわけです。
この感覚自体が、今における現在地なのかもしれません。


一般論として、会社には
幼年期・成長期・成熟期・衰退期といった段階が存在すると言われています。
多くの経営論では、それがあたかも普遍的な法則であるかのように語られています。

では、その物差しで測ったときにLIMbはいまどこに位置するのでしょうか。

まぁ正直──
なんやそれっ、、って感じです。
10年という時間軸で見れば一巡したようにも見えますが、50年、100年という尺度に引き伸ばした途端、その評価は簡単に反転する。100年でみれば幼年期ともいえますから。時間のスケールをどう設定するかで、意味づけは簡単に変わってしまうでしょう。どのフェーズに属しているかではなく、その局面においてどれだけ意識的に意思決定を行っているかが重要と思います。寄せては返す波の如し。

とはいえ経営に携わる以上、思想や理想だけで物事を進めることはできません。

(2025 Spring Summer -AMEND FOR-)


結果に責任を持ち惰性に沈まぬよう自らを意図的に更新し続ける必要があることは間違いない。そして成熟すること自体が目的なのではなく、熟れ切ってしまわないことこそが意志であり戦略だと思っています。仮にいつか衰退期と呼ばれる局面が訪れたとしても、その時なりに不格好で、泥臭いクリエイションを続けていきたい。創造という生きがいをこれからも謳歌していきたいです。


振り返ってみれば、「好きなものは変わらない、変える気がない」というごく個人的で身勝手とも言える価値観が、ここまで会社やブランドの核として貫かれてきたこと自体自分にとっては意外な出来事でした。

それは決して、自分ひとりの力ではありません。その価値観を理解し許容し、ときには信じてくださるお客様がいて初めて成立しているものです。日々いただく言葉や反応は、数字以上に判断の拠り所となり、思考を前へ進める糧になります。それは確実に背中を押してくれる大きな力。年末の最終営業日を迎え、改めてその事実を深く噛みしめています。いつも本当にありがとうございます。また次の時間へ、確かな意志を持って進んでいきます。


さて、今日は皆様にもう一つお話しがあります。
既にご存知の方もいらっしゃるかと思いますが・・

ゆーき君が2025年の最終営業日をもちまして卒業いたしました。

もともとブランドを始めた時は「1人でやっていく」という覚悟で挑み、そもそも大きな企業的な体制には惹かれず、我流で、好きなように、ガラパゴス的にこの世界を築いていくつもりでした。そんな中、4年前にインターンとして関わってくれたのが彼でした。その後すぐに強い熱意で入社を志願してくれ、僕もいい意味で折れまして笑。そこから今日に至る約3年半は自分の右腕として、確実に支え続けてくれました。無遅刻・無欠席。その事実ひとつを取っても、彼がどれだけ真摯に真面目に向き合ってくれていたかが伝わると思います。

配送業務をはじめ、動画制作、LINEやANNEXなど、担ってくれた業務は多岐にわたりました。目立つ仕事ばかりではなかったかもしれませんが、彼の手が入ることで初めて成立していた場面が数多くあります。

その一つひとつに心から感謝です。本当にありがとう!

うちで培った経験はまさに吉田流ですから、次の場所での糧になれるかはわかりませんが、新しい環境でのキャリアの構築とさらなる飛躍を心から祈っています。


この場での簡単なご報告となってしまいましたが、彼は今後も代官山にはおりますし、当店にも遊びにきてくれると思います。また皆様とお会いする機会がございました際には、どうぞよろしくお願いいたします。

・・ということで、これからは再び一人体制に戻ります。
ASKYY初期の吉田特有ゆったりマイペース感が、また100になるでしょう笑
至らぬ点やご不便をおかけすることもあるかと思いますが、それも含めて引き続き見守っていただけましたら幸いです。

言うなれば「サードプレイス」って言葉がわかりやすいかもしれません。スタバさんまではいけませんが、気軽に立ち寄って頂けるような、吉田んちに遊びに行こうぐらいの感じでお待ちしております。

というわけで、今日はそんなところ。
また大晦日に告知がございますので、年内にもう一回更新しますね。

改めまして、今年も大変お世話になりました。
また来年もASKYYをよろしくお願い致します。

著者近影 @某国某所