ここまでモノに溢れた時代。
「使える」「着やすい」。
便利さだけで評価される服はすでに飽和し、どのブランドやショップを覗いても心が動かない瞬間が増えました。
「またこのパターンか」や「尖って見えるけれど実際は着られない」とか。
気付けばファッションがただの道具になっている。そんな落胆すら覚えるようになりました。今の経済状況を思えば、そうした流れも仕方のないことなのかもしれません。それでも、本来の服はもっと自由で、もっと楽しくて、もっとその人の個性を映すもののはずです。
今回の作品は、そういった状況へのアンチテーゼ。
特別奇をてらっているわけではありません。ただ、最高の一着を目指し、真剣に向き合った結果。
量産品ではなく「コレクションピース」
ご紹介いたします。
FRAGMENT COAT

Code : 3/7
Season : 401
Model : U1
Color : BLK
Material :WOOL80%,POLYAMIDE20%/COW LEATHER100%
Size : 1,2,3
Made in Japan

about creative
25AWの先陣をきった「FRAGMENT RIDERS」、
あれをリリースしてまだ2ヶ月しか経っていないことにも驚きですね。ご購入頂いたお客様ありがとうございました。
その際のブログでもご案内しておりましたが、
今季、レイヤーのアプローチは袖へと侵食。

異素材のコンビネーション。

贅沢で大胆なレザー使い。

フロントは抑え、あくまでも側面への主張。
そこに見え隠れするアイデンティティが、大人びた余裕と小慣れた雰囲気を付与させる。
今回はそういった意図の「袖のレイヤー」に特化した「FRAGMENT シリーズ」から、ようやく真打が登場。

25AW THE FOUR KINGSの三人目。
またもやリアルレザーを堂々に用いた贅沢なコートが仕上がりました。
今季のMAIN LOOKからもわかるように、
the four kingsの中でも1番の推し。

特に時間を割いた作品ですので丁寧に紐解いていきます。
about sleeves
コレクションピースたる所以は、こういった些細な一手間。
先日リリースしたグランドオフィサー同様、今作もメルトン×レザーによるクリエイション。

・ダブルショルダー部分
ASKYYのアイコンである「ダブルショルダー」部分はレザーへ変換。
繊細な細身のパーツと生まれ変わり、袖口のレザーとのシンクロ性を高めます。

これによって輪郭がぼやけず、コートの印象そのものが鋭角に。
秋冬のマットな質感に映えるレザーの光沢は、闇を割く閃光のように強く輝く。

・肘部分
画像ですとややわかりにくいのですが、ここだけわざわざ異素材を用いています。
袖の作り込みを強調し、レイヤーに一層深みを増すポイント。

本体よりも毛足の長いものを用いて差をつけました。
・そして、袖口
コートの下にレザーライダースを着用しているようなレイヤードで設計。
こちらがこのコートの真髄。

メルトン側にはストラップ。
レザー側にはジップ。

金属・革・メルトン・ストラップ、ASKYYが一点へ収束・凝縮するこの袖口は、たとえば何気ない腕の振りや、ふとした仕草の瞬間に、圧倒的な存在感を放ちます。
「この構造でないと得られない質量感」それが今作の真っ赤な心臓。

これら複雑な構築意図は明確で、ただのデザイン遊びではありません。
「コートの下にレザーを仕込む」スタイリングって結局一番かっこいいじゃないですか?
重厚で、紳士で、品があるけどワイルド。
その最強の美学を、日常の中でいつでも再現できるようにした仕掛け。
本来、レザー × メルトンの組み合わせは、気温や天候、シルエットの相性など、いくつかの条件が揃わないと完璧には成立しません。でも、この袖口は違い、レザーを袖内部に抱き込み、外側にはメルトンを走らせ、その境界に金属のジップとタブを噛ませました。


これにより、「レザーを纏った上にコートを羽織っている瞬間」だけを切り取り、永久に固定しているわけです。レイヤードの“美味しいところ”だけを抽出しつつも、無駄や条件を取り払った、極めて合理的なディテール。
ちなみに、袖の裏は全てをレザーにしているわけではありません。
動きにくいですからね。

肘あたりまではキュプラ素材を用いており、着用のしやすさも追い求めました。
マットなレザー、鈍いツヤのレザーとの対比、ぜひお楽しみください。
とうわけで、今期を司った「FRAGMENT SERIES」がここに完結。


(FRAGMENT RIDERS)


(FRAGMENT COAT)
about detail
もう少し掘り下げます。
作り込んだ袖に対し、身頃はあくまでもミニマルな仕上げ。
引き算の美学。

最近よくブラッシュアップしている「ピンタック」

縦線を美しく魅せるための造形とし、ミニマルに仕上げました。


about material
・表地
今回用いたメルトンは、二重織でしっかりした肉厚。
両面を微起毛させているビーバーで高級感に長けています。

二重織のメルトン自体は割と世の中に出回っているかもしれませんが、とにかく重いのが難点。
暖かさとその高級さと引き換えにその代償もあります。
しかし、今回の素材はその中でも今までにない軽さを実現させた最高級。この触感をお伝えできないのが残念ですが、とてもしなやかで、滑らか。今までASKYYが用いてきたメルトンの無骨さとは違い、さらに高級路線です。
KINGたるもの、BESTでなくてはいけませんよね。
・肘部分
先ほどからお伝えしておりますが、肘部分のパーツは素材を切り替えて、毛足の長い素材でテクスチャーの変化をつけています。

・レザーパーツ
そして、先日のTHE GRAND OFFICERでもご紹介した時のレザーとおなじ、お馴染みとなったベジタブルタンニン鞣しによる本革。こちらもメルトンとの対比が美しいです。

about size
サイズは、今までよりも細身に仕上げています。このデザインですから、やはりスマートシルエット。
ASKYYは微妙に大きいなーと思っていたお客様にはドンズバでハマるサイズ感かと思います。
逆にガタイが大きい方はきついかもしれません。
吉田(178/62)でSIZE3着用

着丈も膝上で短め。


今のオーバー蔓延のご時世、このシルエットを探す方が難しくなってきましたよね。ASKYYは今まで通り貫き通していますのでご安心ください。そんな時代も、もうまもなく戻りますから。
about price
こちらもリアルレザーを用いたコレクションピース。
¥142,000(税抜)

「あれ、この前のグランドオフィサーより安いの?」って思われたお客様もいらっしゃるかと思います。それはシンプルにレザーの分量に比例するところがあるからです。オフィサーは内側全面でさらに4枚重ねの縫製です。
それでも今作は今作で、素材も従来のものから刷新してハイクオリティ。比較してはいけない部類のインディペンデントアイテム。お好きな方にさされば嬉しいです。
※今作も高額品のため、分割支払いご希望のお客様は事前にお問い合わせください。
お取り置きも承りますのでお気軽に。
about release
12/6(土)12:00 代官山直営・ECにて同時発売
FINAL
THE FOUR KINGSの三人目。
その中でもKING OF KINGといえる今季の最推し。

これを出したあとは、残すところ1型。
それはインナーダウンですから、今作とはカテゴリ違い。
ぜひこの新たな境地を手に入れてください。
皆様のご購入を心よりお待ちしております。
FRAGMENT COAT
https://www.askyy-shop.com/items/126127156