VERSE1097 [ASKYY / NAPOLEON Y DENIM]

今日は”最高峰デニム”の位置付けとなるお品をご紹介します。
長いので食後の一服の時にでもお読みください。

“WHAT I THINK”

ASKYYが作り続けている~~スキニー。~~
いやスキニーではないか。うちのは、ただ細いだけでなくパターン上から立体的に湾曲させシワを形成させてたり股上を深めにして重心を落としルーズな雰囲気を保持させるっていう独自形態ですのでまた別物。それこそスキニーという括りではなく「Y DENIM」というカテゴライズが相応しい。

そんなYデニム。今年も新作を制作しました。変わることを恐れず、進化を止めず、時代に翻弄されず。初代より受け継いできたそんな強い遺伝子もこれで7代目。

おそらく、7代目にして最高峰のものが出来上がったと思っています。それはデザイン云々が先行しているのではなく、とにかくユーザビリティの大変高い作品だからこそ。今作の特徴はあくまでも「日常着」であり、細部の作り込みが全体の空気を乱さず自然と調和していること。気の利いたアクセントが静かに佇む。アンビエント音に自然の音が入りこむように自然に。24AWからの流れもありますが、そういった「１周回って垢抜けた」ようなこなれ感にご注目ください。

NAPOLEON Y DENIM

[25ss MAIN COLLECTION / week02]
Code : 3/7
Season : 401
Model : T7
Color : BLK
Material : COTTON95%,POLYURETHANE5%
Size : 1,2,3,4
Made in Japan

digest

フロントは斜めのボタンで装飾性を強め、

フェイクレザーによって装われたツインベルトループが新たなアクセント。
裁ち切りのコインポケットもアイデンティティと差別化を意図。

パンツと靴の流れをスムーズにする裾のファスナーはマストのギミックでありつつ

今回は新たな機構として、縫製の段階でランダムにギャザーを仕込んだ裾まわりが特徴。

自然なシワのグラデーションが足のラインをさらに美しく仕上げます。
見えづらさが”売り”のYステッチが膝に鎮座。

どの部分にフォーカスしてもこだわり抜いた作品。SIZEも1-4と展開を増やしました。これからのマストな1本として推し進めます。ダイジェストでお送りしましたが、ここからはさらに詳しく。

about HISTORY

ASKYY初期に制作した「NAPOLEON PANTS」。それがベースになってます。面影ありますね。あの時からは想像もつかないほど細部への作り込みが今では可能になりました。

(from19aw)

ASKYYの成長でもありそれだけ手間暇を加える力を皆様に頂けた証。まだまだ未熟で多少の荒さもあったナポレオンパンツが時を重ねて往年のYデニムシリーズと融合するのだから面白い。どんな過去も新たな未来へつなげるストーリー。

(25ss)

「NAPOLEON PANTS」×「Y DENIM」という最強タッグここに完成です。

about DETAIL

・ASYMMETRY BUTTON
「ナポレオン」という名称たる所以はフロントに整然と並ぶボタンから。斜めになっておりますが、裏面にもパネルを設けておりますので下着が見えたりなど諸々の不安は解消しています。トイレの時は多少お手間ですが、快適求めるならスウェットパンツでいいやってなりますからね。律されるようなおしゃれ心は忘れたくないものです。

・COIN POCKET
初期作より受け継いだコインポケット。裏地を白にすることで全体像を軽快に。中世的でクラシカルな空気も漂わせるディティールがまた復活。

・GATHERED HEM
パツパツのスキニーってかなり厳しいじゃないですかこのご時世。うちでもそのノリのものって長い期間作っておりませんが、比較的細身のパンツをリリースする際は必ず内側に足の形を曲げた設計としてきました。それは外側に自然な履きシワをもたらして立体感が生まれ足の形が綺麗に長く見えるから　という理論があります。パツパツ解消。

いつものようにそれだけで終わることも出来ました。しかし学びは死ぬまで続けます。設計上だけではなく、縫製の段階でもシワを作って縫い込む。膝から裾にかけてシワの強弱のグラデーションを作る　という工場さん泣かせな仕様を実現。そういった見えにくい部分にも注ぎました。

裾の内側にはジップを設けているため、靴との流れも綺麗なまま。