VERSE944 [ASKYY LAYERED BOOTSの全て]

これは商品紹介ではなく1つの物語───────。

最初に着手したのは約2年半前。

いや、最初の木型が出来上がったのがこの2021年9月なので実際はもう少し前になりますね。長い道のりでした。

その間に過ぎ去ったコレクションは5つ。

「服」を作りながらもこの戦いを続けていたことは言うまでもありません。

STORY

メジャーな話を出して恥ずかしいのですがジョブスのイッセイミヤケのタートルネックしか着んみたいな、いわゆるそれと同じ理屈で僕は同じブーツを3足履き回しています。もちろん他の形のブーツも多数所持していますが、デフォはいつものやつ。そんな十数年以上も履き続けているguidi。前職時代に直接取引させて頂いてて、バイヤーでない今でも買っている唯一の他社製品ですかね。「もう一生これでいくんだろうな」と決めていました。

そういった前提がある中、ブーツとはあえて距離を置き衣服を作り続けてきたASKYY。うちはこれでもコレクションブランドの一端。足元まで全てASKYYで揃えたい というのはブランドをやる上で自然の流れというのはスニーカーをリリース時にも綴っていたかと思います。ただブーツに関して僕にはguidiという頑なに強いこだわりがありましたしなかなかその牙城を崩せずにいました。

それは、今までに製作したサンダルやスニーカーとは意味合いも異なります。そのハードルの高さも知っていましたし専門分野でもなければ制作背景もありません。しかしながらlookを撮影する度に感じる違和感はシーズンごとに膨らんでいきました。それがちょうど3,4年前あたりからですね。他社製品を使わずしてASKYYをダイレクトに表現したい。ASKYYによるASKYYのためのものが必要だと。

そういったフラストレーションから解き放たれる様、隙間時間を見つけては企画を進めていき、自らの「牙城」の崩壊に乗り出しました。靴屋のガチ靴に敵わないなら違う部分で勝負する。アイデンティティを守りながらそれに勝る部分を模索し比較対象にならないものを作る。書いては消し、書いては消しの繰り返し。その間にもいくつか生産背景をご紹介いただき本格的な着手に取り掛かる事が出来ました。ご協力もあってデザインの構想からプロトタイプまでは実際そう長くはありませんでした。服を作るプロセスとは違いましたが頭の隅っこにあったんだと思います明確な理想とする形が。

しかし、出来上がったプロトタイプは現在の完成形にはほど遠く、垢抜けておらず、野暮ったい。デザイン主体で機能性が足りない。人によっては「これでいい、これがいい」というラインだったのかもしれませんが、ブーツに関しては異常に固執しているため納得するわけもなく。最終的な完成までに時間がかかるだろうなというのはその段階で察していました。服を製作するプロセスとは違い修正をする場合は原型となる木型の修正まで戻る大掛かりさがありますもんね。うちの要望が細かかったり予算感が合わなかったりで実はその間に3度(3社)製作元が変わりました。この2,3年でボツになったサンプルは軽く5足以上を超えますので当然相応のコストをかけています。それでも最初のプロトを見た時に感じた確かな「原石」感を信じ、数mmで印象が変わる世界線の中で妥協なく調整を繰り返していきました。発表する今日この日を待ち望んで。


かけた時間が長いからといって良い作品というわけではありませんが、
それだけ思いが強いということがお客様に伝わればと思います。

前置きが大変長くなりましたが、満を辞して。

ASKYY初となるブーツを公開いたします。

“バックジップ”ではなく”フロントジップ”での差別化

アイコンであるレイヤードと

安定したトゥの形

そして、用いた2種のレザー。

そのうちの1つは「GUIDI」社。

どのようなスタイリングにも合うフォルム。

この1足があれば今までのASKYYの過去作はもちろん、今後の未来まで一生ご愛用いただけるマスターピース。

妥協をせず作り続けた2年半。

途中22SSのLOOKで公開するも、

まだまだ納得できておらず、その3rdサンプルあたりからさらに磨きをかけ現在の形に辿り着きました。

詳細をご紹介させて頂く前に”価格”のさわりですが、

今の現行のGUIDIは上代22,23万ほどですし、それがうちの場合になるとどうなるのか───────

それは後半で…

少しずつ解説していきます。

ASKYYをご愛用頂いているお客様はすでにバックジップのブーツをお持ちの方も多いかと思います。とくに店頭にお越しいただくお客様はほとんどお持ちな気もします。GUIDIはもとより、以前はmasnadaのブーツも買い付けていましたよね。

今作はそれらのブーツとは一線を引くよう差異を作っており、かぶることはないかと思います。

「フロントジップ」を選択する場合そのデザイン性ゆえにクセが強くなることがネック。ただ、あくまでも主張を抑え、スタイリングに溶け込みやすいものへと昇華させました。すでにお持ちのお客様には優秀な二足目に。ブーツ自体あまり履かないお客様にとってはサイドジップやバックジップにも劣らない完璧な一足目を。

GUIDIだけ というのもなんかアレですよね。個人的にはそこに若干の後ろめたさもあったのでここからは晴れて両軸になっていく所存。フロントとバックの2トップ。

パンツの裾からチラッと見えるシルバーがアクセントでありアクセサリーのような役割。

“それこそ” がフロントジップのみに与えられた武器であり大きく差がつくポイントかと思います。巷に溢れるブーツでは得ることが出来ない、特別なラグジュアリーが宿ります。

定番も確かにいいのですが、その一歩先を歩みたいのは人間の性。

歳を重ねてもエッジが効いてる、そういった渋さを兼ね備えました。

用いたファスナーは世界のYKKが誇る最強のEXCELLAジップ。

強度が強いため、タフさを求められるブーツとの相性は抜群。また、足入れを容易にするためダブルジップの仕様になっています。よってフロントは全開け可能。

半分まであけてブーツインすることも可能。

スキニーや細身のパンツは筒をかぶせても雰囲気出ますよね。

筒口のレイヤーはまさしくASKYY。

これ、もともとは完全に2枚重ねの仕様だったんです。

(↑ 2nd sample)


しかしその場合どうしても着用感が重たくなってしまう。履き心地も硬く、外側へのシワの入り方も甘い。

2枚ではなく1枚の仕様に変更し、さらにレザーを薄くしたらしたで次は強度の問題。

(↑ 4th sample)

試行錯誤を繰り返した結果、レイヤーのデザインを活かしつつも、しっかり靴として成立するところまでもっていきました。

段差がある故の立体感とスマートさが売り。筒部分のフィット感も快適に履きやすくなってます。

このトゥ部分は個人的にも馴染みがあるguidiに寄せたかったところ。ぽってりしてると土臭すぎたりハードすぎますよね。とはいえスマートすぎてもドレスな印象が強くなる大変センシティブな箇所。全身のバランスを整えるうえでも極めて重要なこの部分は、それこそ数mm単位で木型を削り肉付けし最終的な形へと仕上げていきました。

(1st木型)

(3rd木型)

(ボツサンプルの数々…)

それは本当に微妙な差で横に並べてようやく違いがわかる領域ですが、カジュアル、ストリート、ワーク、ドレス。あらゆるジャンルを網羅出来る美しいフォルムが完成したと思います。

度重なる調整にその都度ご対応頂けた職人さん達に感謝しかありません。

この反り上がりも最高

ヒールの高さは3.5cm

例えばguidiのZ品番のダブルソールはたしか4.5cmぐらい。その高さってメンズブーツにしては高い方と思いますが、それよりは気持ち抑えめにしてあります。「あからさまなヒール高」ではなく、自然で違和感のない数値。

身長が高くなる分、スタイルも綺麗に見えつつ、ヒールの高さに嫌味がない。

ちなみに製品の段階でゴム張りしてあります。ご購入後に靴屋にもっていく必要はございません。(前貼りはしておりませんので気になる方はおつけください。)

全体の印象を大きく変えるコバ部分。せり出しもmm単位で調整し、角を削ることで本体との馴染みを自然に。

ここもguidiの完成されたフォルムをリスペクト。もともとの段階で後方に傾斜をつけることで着用時の前方にシワが入る様にする仕組み。ほんとに素晴らしいアイデアですよね。。イタリアらしい発想の大胆さというか、それでいてしっかり理にかなってしまってるっていう。次第にお客様の足の形に成っていきます。

サイドジップやバックジップと比べフロントジップの分、最初は少し歩きづらさがあるかもしれませんが次第に馴染んで慣れてくるかと思います。最初が一番革も硬い状態ですが3,4回履いてると変わります。

生産はもちろん日本の職人。大変信頼できるファクトリー。

製法もグッドイヤーですのでソールがすり減ってしまっても靴底を取り替えることが可能。つまるところ一生物。長い期間ご愛用いただけるかと思います。

グッドイヤー製法のメリットとしては内部にコルクがある分ご着用者の足に馴染むこと、そしてクッション性もあること。もう一つは耐久性ですよね。各部がしっかり縫い付けられているので頑丈です。他の製法としてはマッケイや最近ではセメントなども多いですが、長く使うという観点ではこの一択かと思います。

冒頭に触れましたが、今回は2種類のレザーをご用意。

左がMASTROTTO社レザー、右がGUIDI社レザー。

並べると「それぞれの違い」と「それぞれの良さ」を感じて頂けると思います。

これも左がMASTROTTOレザー、右がGUIDIレザー。

どちらもイタリア産。

特徴をざっくりご説明。

MASTROTTOレザー

・イタリア最大で指折りのタンナー、マストロット社によるレザー
・比較対象がGUIDI革なのでこっちがどうしても「普通」にみえてしまいますが、十分な高品質
・表面にテクスチャーがあり微光沢。シボ感も雰囲気がありクラフト感は強め
・GUIDIに比べ軽量でスタンダード
・クロムなめし

シワのつき方も大ぶりではなく細かい印象。

guidi社レザー

・オイルを含んでいる分ずっしりした重厚感
・マットな質感と鈍い光沢 経年変化で黒光り
・手入れはほとんど必要なし
・ベジタブルタンニンなめし

2種を比較するとざっとこんな感じです。

一応それぞれの歴史も僕の言葉になりますが軽く振り返っておきます。

-GUIDI-
120年以上の歴史をもつ老舗タンナー。2004年頃から自社ブランド発表。それがいわゆる「GUIDI」
伝統的なベジタブルタンニンなめし、オブジェクトダイ。独特なヌメ感としっとりした質感。深い光沢と色味。オイルの含有量が半端じゃない分、ほぼメンテなしで履き続けることができる

-MASTROTTO-
1958年創業 世界最大級のレザーメーカー。服やバッグはもちろん、イタリア製の家具から高級車、航空機や船舶等でも用いられる。イタリア産ならではの高級感と柔らかさ、キメ細かい質感が特徴。

ASKYYとGUIDIのコラボ と言うと大袈裟ですが個人的にはそんなノリで嬉しいです。とはいいつつもGUIDIだけが当然推しでもなく。もう一方のMASTROTTOも本当いい革なんですよね。GUIDIレザーにはない違う良さが確かにあるので悩みどころ。

ここでご質問。

どっちがどっちかお分かりになりますか?

正解は左がGUIDI、右がMASTROTTOレザー。

微妙な差に感じるか感じないかはお客様次第でしょうか。

どちらもそれぞれの良さがあるので悩ましいですね。ちなみに価格の差は約3万円ほどになりますが、最終は表面感の好みでお選び頂くのがおすすめです。

画像にはありませんがインソールは踵部分に薄いクッションが入っています。

以前リリース致しましたレイヤードスニーカーに近いサイズ感。スニーカー同様に、設計としてはもともとノーズが長め。つま先部分に空間の余裕があります。

カルペやクロス、その他アルチザン系ブランドのブーツをはじめヨーロッパのブランド靴って大体そうなってますが、やはり足のラインが綺麗に見えるのが特徴ですね。隙間があるのが正解です。

40…25-25.5cm
41…26-26.5cm
42…27-27.5cm

上記サイズの目安になさってください。店頭にございますサンプルはいずれも真ん中の41サイズ。裸足でメジャーした場合の僕の足の実寸は25.5cm。ノーズが長いので縦幅はsize40でも入ると思いますが甲部分が狭くなりそうなので真ん中のsize41がちょうどです。

ただ、ご予約の段階だとお試しも出来ませんしわかりづらいですよねぇ、、

ということで

入荷時にサイズがある場合は交換可能、あるいはサイズが合わない場合はキャンセルも可能 とさせていただきますのでご安心ください。

さて、冒頭にも記載しておりました価格の件ですが、

MASTROTTO LEATHER ¥120,000(税抜)
GUIDI LEATHER ¥150,000(税抜)


となります。

3社によるサンプル作成と幾度もの調整でかかったコストは正直もう計算したくないくらいで開発費諸々と吹っ飛んでおりますが泣、初回で気合い入ってますしある程度脳筋で無理しますよね。。

為替の影響もありGUIDIも20前半万円ぐらいまで高騰。それを加味すると半額ぐらいの安さに感じてしまう不思議。。は、言い過ぎかもですが、それらと比較にならぬアイテムを前提として製作しておりますので一つの目安としてお考えくださればと思います。気合い入ってます。

通常の衣服と違い、一点一点ハンドメイドですので製作にお時間をいただきます。レザーもイタリアから寄せるなど時間がかかりますのでおおよそ4,5ヶ月は猶予を頂きたいです。

ですので、入荷は5,6月あたりの予定です。

逆に年末年始の散財で懐が今ピンチなお客様も入荷まである程度猶予があることになりますから、、それでまでに予算組みはしやすかったりするんでしょか。

ご予約期間での高額商品には「内金制度」を毎度設けさせて頂いております。

今作も税込10万円を超えますのでそれに該当。お支払い方法は全額ご入金 or 内金ご入金がお選び頂けます。ご希望のお客様は是非ご利用ください。

webには「全額お支払い」のページと「内金お支払い」の2パターンでページを作ってあります。

内金制について

¥50,000を前金として納めて頂ければ、その枠は確保させて頂き、残金は入荷時に別のカートにてお支払い頂くという内容。

今回の場合、

・MASTROTTOレザーの方は価格が税込で¥132,000ですので、
内金 ¥50,000(税込)
残額 ¥82,000(税込)

・GUIDIレザーの方は価格が税込で¥165,000ですので、
内金 ¥50,000(税込)
残額 ¥115,000(税込)

となります。

内金制の流れについて

流れ
1.専用の内金分ご決済ページにて通常通りご購入ください。
2.その時点でご予約が成立致します。
3.数日以内に「商品発送」の通知メールが届きます。(第一回内金分引き落とし)

約4,5ヶ月後、商品入荷

4.入荷日が近づいた段階で残金分のご決済ページを別途作成しお送りいたしますので、そちらより通常通りご購入ください。
5.お支払いがご確認出来ましたら、商品を発送いたします。
6.最終決済分の「商品発送」の通知メールが届きます。(第二回残金分引き落とし)

内金の引き落としについて

上記にもありますが、内金分はご決済後すぐの「発送処理」をさせて頂きます。

内金分ご決済後、「商品を発送しました」という内容のメールがいくかと思いますがそちらはスルーいただいて構いません。第二回目の残金お支払い時に正式な発送メールをいたします。

※もし、すぐの引き落としをご希望でないお客様は備考欄に「入荷後の引き落とし希望」とご記載ください。その場合は入荷時に内金と残金分が同月で反映し、引き落としされます。また、カードの種類や与信の関係により、先立って発送処理をさせて頂く場合がございますので予めご了承ください。

※例えば3回払いや内金をもう少し下げてほしいなど、お支払いに関してご要望等があるお客様はお気軽にご相談ください。

全額お支払いについて

通常通り、商品出荷時に発送させて頂きます。引き落としもそのタイミングとなります。前倒しご希望のお客様は備考欄にご記載ください。カードの種類や与信の関係により、先立って発送処理をさせて頂く場合がございますので予めご了承ください。

そして初回ご予約のお客様のために特典をご用意いたしました。

ASKYYの刻印入りシューズブラシを制作。そうなんす、実はこういうのやってたんすよおおめちゃ良い仕上がり。このブーツのために作ったと言っても過言ではありません。ドイツ製。豚毛でしっかりコシがありササっとブラッシングするには最適なアイテム。磨きはクロスでその後の仕上げ用にでもお使いください。

今回の期間でご予約頂きましたお客様に無料でプレゼントいたします。

■ご予約開始 1/13(土)12:00-
■ご予約締切 1/15(日)23:59までの約3日間(定数に達し次第終了)
■お渡し時期 5.6月頃

※生産数量はブランドの意向から限定数とさせて頂きます。その数量に達し次第終了とさせて頂きます。
※ご注文後のキャンセルはお断りさせて頂きます。
※納期は前後する可能性がございますので予めご了承くださいませ。

実物をお試しになられたいお客様は是非足をお運びくださいませ。

入荷時にサイズを試してからご購入したい というお客様もいらっしゃるかと思います。高額ですもんね。。

納品後の5,6月頃にご案内出来るかと思いますが、その場合はブラシをおつけできない事、その段階でサイズ欠けしている可能性がありますことをご考慮いただければと思います。(スニーカーはすぐそうなってましたしね。。)

在庫があればサイズ交換もOKですしサイズ合わない場合はキャンセルもOKなのでお気軽に。こちとら吉田は全然大丈夫す、2024は既にスピってるので。ではではここまでの長文ありがとうございました。

それでは皆様の予約を心よりお待ちしております。

土曜12時より受付開始です。お支払いのご相談もお気軽にです。

LAYERED BOOTS

◼️GUIDI LEATHER
内金でのお支払い https://www.askyy-shop.com/items/81862592
全額でのお支払い https://www.askyy-shop.com/items/81862476

◼️MASTROTTO LEATHER
内金でのお支払い https://www.askyy-shop.com/items/81862573
全額でのお支払い https://www.askyy-shop.com/items/81862323