今季アウターの大トリをご紹介いたします。
これが23AWの”KING”であり締めくくり。
今日も長文となりますが、お付き合い頂ければ幸いです。

「ダウンジャケット」
過去にリリースしたダウンは唯一この1型のみ。

(from 2021aw 2WIN ZIPPER DOWN JACKET)
あれからもう2年経過。
レザーを除き、うちで最も高額なアウターでしたが当日に即完した記憶は今でも覚えています。ありがとうございました。
その時のブログでダウンの制作における苦労話を綴っておりましたが、今回ご紹介する作品も同じようにそれを超える苦労の連続でした。とにかく普通の服と違って扱いが難しい。敢えてまたここでそれを取り上げることはしませんが、、今日はこの作品の良さをただただお伝え出来ればと思います。
まず、ヘビーアウターの中でも特にダウンジャケットって「何着も持つものではない」みたいな風潮ありませんか?
大体が高額なこともあってそうなることは想像できるのですが、もう一つの要因は「どれも似た形」ということが要因かと思います。モコモコしてて。結局真冬はそれを多く着回しますし、それこそ「いつも同じダウンを着ている」ことになってしまいますもんね。
そうなった時に重要となってくることは、決して形がかぶらず、まるでコートのように気回せるアイテム。

ダウン自体は皆様も家に1着はお持ちかと思いますが、今までにない形、或いは2着目のダウンにふさわしい、或いはダウンにご抵抗のあるお客様も着やすいイメージで制作に取り組みました。
そうした背景で意識したことは、
「削ぎ落とすこと。」

21AWのダウンが装飾的だったのに対して、今作は極限までミニマルに仕上げることに尽力。
両極でありながら、新しい試みがありつつ、アイデンティティを殺していない。
ダウンでもなく、コートでもない、その中間にくる新たなアイテム。

メルトンコートに中綿が付いた と言った方が伝わりやすいですかね。

ダウンらしからぬいで立ち、ハイネック系でも類を見ないデザイン部を踏まえ形にしました。
公開いたします。
DOUBLE LAYERED HIGH NECK PADDED COAT

DOUBLE-LAYERED HIGH NECK PADDED COAT
Code : 3/7
Season : 383
Model : P1
Color : BLK
Material : WOOL 90%,POLYAMIDE 10% / COTTON 100%
Size : 1,2,3
10秒でわかる概要
・特徴的な首元

一見よく見られる「ハイネック」の形。
しかしながら、よく見るとレイヤーで2層にしています。

こっち系のデザインはうちでもリムーバブルコートがそれにあたるように他のブランドでも多くリリースすることが多いと思いますが、新しいアプローチを考案しました。外側のパネルもボタンでホールドが可能。その際にボタンは見えずミニマルな見た目に。

アレンジ性も加わり、重たさのあるダウンに動きと軽快な印象を与えました。
・シャープな形
メルトンコートのようなソリッドな見た目。

体に馴染む細身のシルエットで、ダウン特有のボリューム感を抑制。
・ダウンではなく正確には「中綿」です。

中綿の服も含め、今ではワタの入ったパッドが入っていれば全て総称としてダウンと呼ばれていますよね。さわりとしてダウンという言葉を用いていますが、正確にいえば中綿コートです。冒頭に記載した事柄にも絡んでくるのですが、その意図やメリットは後半に詳しく記述していきます。
読むのめんどいお客様用に商品ページのリンクをこの段階で貼っておきますので、時短なお客様はご覧ください。
DOUBLE-LAYERED HIGH NECK PADDED COAT
BLK https://www.askyy-shop.com/items/80306663
ここからは細部について深掘りしていきます。
レイヤーされた首元
ハイネックのコートやダウンはそのフォルムこそ見慣れましたが、巷に新しいアプローチはほとんどありません。

それを前進させるため、ASKYYでしか成し得ないギミックを設計。
なるべくわかりやすいように解説させて頂くと、
フロントの向かって右側(左身頃外側)のみ2枚重ねになっています。



外側のパネルはボタンによって開閉を可能にしており、途中で止まる設計。

これによってデザイン性の主張があり、重たく見えない首回りを実現しました。


二重によって温かみもありますもんね。
内側の方は普通にボタンで留める仕様。

※ご留意点なのですがこのデザインの仕様上、ボタンが少し留めにくくなってます。ボタンホールに入れる際に中に入れ込む形になりますので少しだけ留めにくいですが、”このデザインありき”のものとしてご愛想くだだいませ。
この作品の核となるネックの立ち上がり方、首周りの幅には特に拘りました。
開襟した場合も綺麗なフォルムを意識。

首元に全振りした分、他の各箇所はシンプルにすることでさらに襟を引き立ててくれます。


腕部分

袖のボタンもフロントのデザインとリンク。
外側からはボタンを見せず、とことんミニマルに仕上げました。


全体の作り自体は、内側に向かってなだらかに湾曲させた前振り仕様になっています。

裾部分

21awのダウンジャケット同様、裾の脇にスリットがあり、そこからストラップが垂れる仕様。

袖と同じく、ボタンは外側から見えないミニマルな見た目。

開けることで可動域も広くなり、紐が垂れることでダウンとしての動きが増す。

どうしても重たく見えがちなダウンはこういった細部の作り込みによって見た目ものっぺりしないように心がけています。


背面
中綿のモコっとした感じを抑えるためにパターンワークで調整。
立体的で綺麗なフォルム。

その他
腰ポケットはスリットでシャープに。
手袋などのシチュエーションも多いのでポケット口はやや広めに設計。寒い時のカイロやホットコーヒーも。
あとは内ポケットも完備しているので機能面も充実。

背面も立体感のある縫い目の配置で細身に綺麗に見えるように。
素材について
・表地について
大変柔らかく起毛感がウォーミーな圧縮モッサ素材。
ウール90%にポリ10%の組成で滑らかな質感。

肌触りも良く、チクチク感はほとんどありません。メルトンよりも軽く、ふんわりという表現が近いです。
昨年のダウンはデザインの兼ね合いもあり重たさがありましたから、今季は軽く、軽くを意識しました。
・中綿について
最初のご説明にありますが、ダウンパックの中身は中綿です。

ダウンやフェザーと違い、1番のメリットはタフなこと。
ポリなので雨などに濡れてもそこまで気にすることなく着用できるという点で、この作品に相応しいと思い採用しました。ダウン着てると雨気にしちゃいますもんね。それが前作から少し気になっていて。これならば高品質の人工ダウンなので、扱いもしやすいかと思います。
デメリットとしてはダウンよりも重たさは出ますが、現代の中綿の高機能性には驚かされます。保温性も高く、十分軽い。
コスト面でもダウンより安価になりますので、今回の価格を実現できました。
ダウンでもなくコートでもない、新たなアイテム。

そう冒頭にお伝えしたのはこの機能の背景がある為でした。
柔らかいメルトンの見た目コートに、中綿がついた。そんなお得あるコートです。
シルエット

ダウンなのでモコモコしないよう細身の設計。
ウエストもやや絞っており綺麗なシルエット。
ダウンあるあるの「段差がついた膨らみ」もなく、パックを平坦に仕込んでいるのでシャープに見えますよね。
サイズ感
サイズはいつもお選び頂いているサイズで問題ないかと思います。
なので、ジャストサイズがおすすめです。
僕(178cm65kg)でsize3着用

ゆーき君(177cm57kg)でsize2着用

暖かいので、そこまで分厚いインナーを着込む必要はなさそうです。
価格
¥115,000(税抜)となります。
そもそもメルトンコート+中綿仕様。メルトンだけでもいつもは10万弱あたりですが、それに中綿がついているのでお得感あると思います。これがダウン+フェザーだった場合の価格は恐ろしく15,6くらいいっちゃいそうですし、許容範囲内でうまく抑えることが出来ました。
販売方法
代官山直営店&ECにて
12/2(土)12:00 発売開始です。
返品・交換可能
高額品のため、サイズが合わない等の場合は返品・交換も承ります。
ただし、ご連絡いただいた際に在庫がある場合のみとなりますのであらかじめご了承ください。
諸々ご心配なくカートインして頂ければと思います。
お取り置き等について
大物ヘビーアウターの大トリ。
というわけで、、生産数はいつもより少なめとなります。

もし店頭でご試着ご希望のお客様は発売2日前までにお申し付けください。
通販掲載分を除き、その枠内で在庫が許す限りキープさせて頂きます。
最後に
今シーズンのメインコレクションはこのアイテムで全て完結。ここからは小物類などのリリースのみとなります。
ANNEXでもいくつかアウターをご準備していりますが、全て抽選販売の一点物。
最後の締めくくりに相応しい作品となりました。
新たなカテゴリとしてお迎え頂ければ幸いです。
それでは、皆様のご購入を心よりお待ちしております。
どうぞ宜しくおねがいいたします。

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DOUBLE LAYERED HIGH NECK PADDED COAT
BLK https://www.askyy-shop.com/items/80306663
ASKYY TOKYO FLAGSHIP