以前リリースしていたアトリエシャツ。

(from 21aw)
覚えていただいておりますでしょうか?今もご愛用いただいているお客様は多いかと思います。
アシンメトリーなフロントに、裾のレイヤードが特徴のシャツ。どこにも属さない形は、ASKYYの支えになりました。

(from 2021ss)
クリエイティブでアーティスティックな人に好んで着て頂けて、そのシーンに溶け込んでいるような。
どこか中世の雰囲気も持ち合わせている。
その経緯で名付けた「アトリエ」シリーズ。
同シリーズとして捉えている”アトリエパンツ”も、4thモデルまで展開したことは皆様にも認知頂いているかと思います。

積み重ねてきた歴史。
今作はそんなアトリエシリーズから、
いよいよ「ジャケットタイプ」を発表します。

アトリエシャツをベースに再構築し、今シーズンらしくギミックをブーストした作品。
垂れるコード に執拗までの焦点をあて、その可能性を引き出しました。


今作、正直着る人を選ぶかもしれません。
当時アトリエシャツを発表した時も似たようなことを書いていますが、時代の流れを無視し反逆してるような装飾性は、リアルクローズとしての「現実味」とは違い、どこか衣装っぽい「非現実感」がある。(ありがたいことにすぐに完売しましたが)
しかし、そこにはASKYYのブレないスタンスがあり、没個性の世に風穴を開ける勇気があります。冒頭で書いたように、アトリエでこもって世に流されずクリエイションをする人物のように、

自分を貫いていくお客様に着用して頂ければ幸いです。
言うなれば、 売れなくても後悔のない作品。
これは、ASKYYの意思提示。
ご紹介いたします。
ATELIER JACKET

CODE : 3/7
SEASON : 381
MODEL : N13
COLOR : WHT,BLK
MATERIAL : COTTON100%
SIZE : 1,2,3

概要
ベースにしたのはアトリエシャツ。
「あれ」に「羽織」の機能をもたせる為、コードというアプローチで取り組みました。

これ、
ただ紐が垂れているわけではありません。

取ってつけたような簡易なものではなく、
コードがないと成立しないデザインであり、開閉を可能にします。

よく見ていただくとわかるのですが、
ベルト状のパーツでホールドするわけでもなくわずか数mmのコードを作り、

その本体側に擬似のボタンホールを作成。
大変繊細な作りになっています。


パッと見はただの紐なんですけどね、
大胆でありながら詩的な雰囲気を繕うニュアンスはまさにASKYYらしい部分かと思うわけです。

前を閉めれば旅人のような放浪的風情。(なんとなく伝われば大丈夫っす)

いわゆるドレスシャツとは大きく異なるもの。
春夏期のシャツジャケットとしても、秋冬期の飾り付けとしても、長くご愛用頂きたい作品が仕上がりました。
構想から着地まで、おそらく今期一番時間をかけた作品。
加えて、手間も大層かかるので工場さんも縫い上げに一番時間がかかった大作です。(正直今日のお昼にギリギリ到着、、)

羽織として、

あるいは、インナーとして。

シンプルでミニマルなアイテムにこそ、相性が良い装飾性。
全部がミニマルだとやはりつまらないですし、刺激物を加えることでスタイリングレベルがぐっと上がるのが、服の面白い部分。
先週抽選販売致しましたチェックライダースの下に仕込んでいたアイテムもこの作品。

AIRY COATのインナーにも忍ばせていました。

改めて詳細を。
ベースの形
丈は一般的なショート丈として、使いやすく。
アトリエシャツはミドル丈でしたが、今作はブルゾンの様にショート丈です。

首周りはそのままリラックスある空き具合。
毎回毎回言ってるのでいい加減しつこい決まり文句ですが、ノーカラーにしている分、羽織類も重ねやすい作り。当然上に合わせる羽織もノーカラーで問題ありません。

それがシンプルなほど際立ちます。上写真はシングルレザーのアッシュピンク。
この形、お持ちのお客様も多いかと思いますが一気に繊細なムードへ全振り可能。
裾は前下がりのフラットな作り。ラウンド型の裾をはみ出させることでこの形が特に生かされます。
ショートでも、ロングでも。


フロント
象徴的なフロントをもう少し掘り下げさせてください。

右身頃には垂れるコードと同じ太さで設定した飾りコード。
左身頃にはそれに合わせるようにわざわざ配したステッチワーク。ご覧いただけますでしょうか?

機能としてはなくてもいいんですけどねこのステッチ。
でも左右の整合性はとにかく気になりますし絶対譲れない完全なこだわり。
結果として、左と右で様子も変化します。


第一ボタンはルーパーで留める仕様。

執拗なまでに細部まで作り込みました。

アシンメトリーという特性も活かし、その利点を最大限まで拡張出来たかと思います。
そして、
ジャケットというからにはやはり必要な腰ポケット。

スリットポケットで目立たないように配慮。

さらにジャケット感を強調するため、アトリエシャツではなかった肩の曲線等も付与しています。
アトリエシャツとの差別化を図る隠れたポイントとなります。

袖


フロントに合わせ、袖先もステッチワークとボタンで構築。
この部分もわざわざコードを作り、飾りステッチを設けて擬似のホールを設置しています。


ラフに腕まくりもしやすいのでここからの季節は扱いやすめ。
フロント紐と袖の紐によるこの雑な感じが最高に好み。

その他
裾のフチはいつも通り裁ち切り。
フロントの主張が強い分、引き算として背面はシンプルに仕上げました。

素材
ASKYYのシャツアイテムでよく用いる素材。
今までに同素材を用いているアイテムは下記となります。



いずれかをお持ちのお客様はセットとしてご着用可能ですね。
長時間数回にわたり揉み練り、芯から柔らかくしたシャツ生地。
ナチュラルでマットな風合い。シャツ独特のハリはなく、やさしい肌触り。

くたっとエイジングされた表面感が、アトリエジャケットの小慣れた雰囲気を彩ります。

最後に洗いをかけて、クラフト感ある質感へ。
色展開
定番の2色展開。

・WHT
白カットソーと合わせたい爽やかな白ジャケ。裁ち切りやコードの作用で、ラフな印象も強いですね。
華奢で繊細。theアトリエジャケットを体現した色。

・BLK
デザイン性も落ち着いた印象になるBLK。
黒ジャケとしても万能なのでその概念をお持ちいただくと着用の出番は多いかと思われます。
サイズ感
吉田(178cm64kg)でSIZE3着用



特別、オーバーサイジングなどの作りではなくやや細身のフィット。
オーバーはどうしても抵抗あるんだよなーってお客様にご安心頂けるバランス感です。
ゆーき君(177cm57kg)でSIZE2着用



いつものASKYYのサイズピッチですのでいつも通りのサイズ感で問題ありません。詳しくはEC内の採寸をご確認くださいませ。
コーデについて
いわゆるシャツジャケット。
カットソーやタンクにオンでフィニッシュ。

あまり言葉は要らなそうです。
オールブラックもデティールがある分、動きが出ます。

肌寒い時やスタイリングに物足りなさがある時にはインサイド。

年間を通してご検討ください。
価格
¥53,000(税抜)
この細かい仕様でこの価格、とても頑張りました。
販売方法
4/22(土)12:00 代官山直営店&OFFICIAL ECにて同時発売。
今回は生産数少なめなのでサイズ欠けや色欠けにはご注意くださいませ。
最後に
アトリエシリーズからようやくジャケットが到着。

自分の中の括りとして、このアトリエコンセプトは最も創造性を具現化できるコンテンツとして捉えています。
それはビジネス的目線ではなく、どちらかというと表現者目線に近いもの。アパレルブランドは双方のバランス感ありきで成り立つものですが、いわゆる「売れなくたって形にしたいものがある」という葛藤の中で様々な作品が商品として成り立っていくものだと思います。

もちろん全ての作品にそれだけの想いを込めていますが、これに関してはとにかく時間がかかったので結果はどうあれ、個人的には色々スッキリしてますw 着て頂いて初めて生かされるもの。その思いごと着用頂ければ幸せです。
Tシャツやスウェットのようなラフスタイルでつまらない男で終わってくのは早い。
こんな服をずっと着続けてけるイケおじになってたいなーと思うわけです。
というわけで、今週土曜もよろしくお願いいたします。

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ATELIER JACKET
WHT https://www.askyy-shop.com/items/73444616
BLK https://www.askyy-shop.com/items/73819554
ASKYY TOKYO FLAGSHIP