前説
22AW、10月に突入ということでいよいよ本格的なアウターが到着。
お客様の懐事情をふまえ、高額なアウターは今期も納期を分散させてます。後半にアウター連続ですとアレですから、割と月末に重めのものが来るようにしておりまして。
まさしく今回のアイテムがそれにあたります。

完全な新型。
今週発売するこの作品はアウターの中でも22awの象徴として相応しい作品。
というのも、今期から本格的に築き上げていく新たなアイコン「リバーシブル」に対しての記念すべき1作品。
今日は前置き短めでさっそく公開いたします。
REVERSIBLE BOMBER JACKET -OVER FIT-

Code : 3/7
Season : 373
Model : M7
Color : BLK
Material : Shell/polyester64%,polyester32%, Lining/polyester100%
Size : F
22AWのイントロムービーでトリを飾っていた推しアウター。

このシーンが今でも好きすぎる。とにかく無限ループ。
積み上げた過去から次のステージヘ向けた強い意志。
それを象徴する堂々とした歩み。
覚悟の眼差し。
進化も何もかも詰まってるなって思うわけです。ティッシュ必須。(多感)
このアイテム実は「リバーシブル」なんですね。

厨二的にいえば悪魔と天使。
LOOKやMOVIEをこすって見ていただいたお客様はお気づきだったかもしれません。大正解です。
その際、価格についても10万くらい?ってお声があったのですが、、、最後までお読みいただければ幸いです。


今までレイヤードやセパレートなどさまざまなアイコンを定着させてきておりますが。
今期から1つのカテゴリとして「リバーシブル」を確立していきます。ブランドとしての「合理性」を求めるならば、必要な”血筋”でした。
もちろんそれは、23ssの次シーズンや今後もリバーシブル系があることを示唆しています。既に作成中。
今までにもリバーシブル系があることはありましたが1型のみ。生地の特性を活かしたイージーめなニットだったので、根本的なリバーシブルではありませんでした。

(from 2018ss reversible knit cardigan)
ここから本腰を入れ、育てていこうと思います。
まずは、この2面性をもった怪物。
その概要から。
リバーシブルの概要
用途も別となる2つの顔。

A側▶︎身頃はボア、袖がツイル地。

こちらは
B側▶︎袖がボア、身頃はツイル。

ボア側に関しては、「THEミリタリー」な性質を感じますしアングラなストリート性。
ボリューム的にはこちらの方が馴染みやすい性質をもっています。

一方で、Bの身頃ツイル側はクリーンでファッション的。LOOKにもあるように、割とモードな雰囲気がありつつ都会派。

もはや2着分。
まるでバットマンのように昼と夜で違う顔。
その日のスタイリングでフレキシブルにお使いいただけます。
リバーシブルの本質
リバーシブルものって、そのコンセプトだけでなんとなく安っぽくなるイメージがありませんか?本来は機能性や利便性に優れたものであるにもかかわらず、世間一般ではおざなりにされすぎてる気がするんですよね。
その根源って一体何だと思いますか?
で、ここからは僕の個人的主観です。結論から申し上げますと、単純にその良さが表と裏で2分割されるからだと推察しています。「価値の分散」という言葉がわかりやすいでしょうか。
例えば、ある人はそれを「A側は80%良い、B側は20%良い」と感じ、またある人は「A側は50%良い、B側は50%良い」と捉える。その数値の比率がどうであれ、「リバーシブルでない通常の100%の服」を横にした時にその差と勝敗は歴然となります。
おそらくこの分散の摂理こそが「リバーシブルもの」に対する「負の呪縛」。このバイアスがかかっている限り「リバーシブルではない服」には到底及ぶはずがありません。結局リバーシブルにするだけで無理ゲーなわけです。
でもこの無情なほどに高い壁、人間の心理、思考回路をも破壊する戦に勝ちにいくのがクリエイターの仕事と思うわけです。物を創るにあたって、そういった本質的な部分への探究と深掘りがない限り、良いものができるはずがありません。
「A側も100%、B側も100%」に近づける事がリバーシブルに於ける最高到達点だとすれば、それを目指すだけ。これらは僕の感覚的な部分を言葉にしてるだけにすぎませんが、簡単にいえばリバーシブルは双方対極に強くなくてはいけない というところ。
身頃も袖も全面ボア、あるいは全面ツイル地にするのではなく、それらをパネル分けしそれぞれ違うデザインを加算することでそれぞれの面で個性を与えたのです。どちらの面でも100になるように。
それぞれが人格をもち2人の人物を作り上げるように。


すなわち2着作ったことと変わらない思考の消費と時間でしたがその分、渾身の作品。
ここからは細部に対してフォーカスしていきます。
A側とB側の共通項
・引き手がくるっと回転する、リバーシブルでの着用を可能としたファスナー。

フロントだけでなく、袖のファスナーもリバーシブルにすることでA側でもB側でも同じ雰囲気をまといます。

フロントのリバーシブル用ジップはよく見かけますが、袖もリバーシブルジップのものは少ないですよね。個人的にはどちらの面もASKYYらしく無機質さを残したかった為、袖にも採用しました。

・首周り

本来あるべきリブの襟は、ざっくりカット。これはいつも通り通常運転。今作はオーバーフィットのため、ノーカラーのすっきり具合がさらに際立つかと思います。これでリブあった場合結構ハードな印象ですしね。
これにてようやく今期推しのシルエットが完成。

そりゃ顔も清々しい賢者タイムになります。
最高。
ここからは各側に対してフォーカス。
まずはA側。
パッカリング
A側の特徴、それはなんと言っても袖のクラフト感。
内側にゴムを仕込み作り上げた自然な皺。


一見、目立たない様にしていますが、

ふとした時に垣間見える腕のギャザー。
外側も自然なパッカリングに。

この作り込みが武装してて良い。
こういった立体感がないとのっぺりしますし野暮ったさを無くす大事なギミック。ただでさえアームホールがゆったりしているので緩急をつけてました。

左腕にはいつものポケットも完備。

フラップポケット
次はB側の主な特徴。
それはこのフラップポケット。

ミリタリーのMA1でよくある伝統的な三角のフラップポケットってあるじゃないですか?それをそのままで終わらせず、細部まで突き詰めたい性分。
いつもの無機質さと、クラシックさをいかにこの小さいパーツに凝縮するか。そして出来上がったのがこの「ファスナー×フラップ」のコンビ。

黒とシルバーのコントラスト、リバーシブルという特性を活かした異素材の表裏。
フラップを出せば服に立体感をもたらし、

内側に収めれば

いつも通り無機質でシャープな印象。

B側のシンプルな身頃だからこそ映えるポイント。
ちなみにボアのA側は身頃の印象が強いため癖のない玉縁ポケットにしています。

今後リリースしていく作品でもこのフラップポケットのギミックは採用しているので1つのアイコニックな存在になっていくかと思います。
ちなみにうちのブランドネームと品質ネームはポケット内に忍ばせています。リバーシブルですしね。

オキシジェンタブ
B側のもう一つの特徴であるオキシジェンタブ。

伝統的なMA1の初期ギミック。
起源は名前の通り酸素マスクのクリップをつけるための補強布。theMA1を感じる象徴的なパーツと感じているのでこの伝統美は残しました。マットなフェイクレザーを用いて印象を引き締めてくれます。
A側、B側、それぞれの特性をご紹介させて頂きました。
次は素材についての言及です。
ツイル素材
本来のMA1はナイロン素材が主流。ですがそこはASKYY。
従来のMA1では用いることがないような生地をねじ込みました。

この形で素材がマットすぎるとそれこそ作業服なワーク感が漂いますし、かといってtheナイロンすぎても安っぽくてダメ。当然リバーシブルですからボアでない側の着心地も100を目指す必要があります。
探すだけで一苦労でしたが、、相性の良いものをようやく発掘。


うちのマットなシャツやパンツにも浮くことなく馴染みます。
裁ち切りの繊細さとこの生地のギャップがいい。
さらりとした風合いで適度な落ち感。程よいストレッチ性。生地も割と目が詰まっている方なので防寒性も高いかと思います。
ボア素材
そしてボア。

とにかくめちゃくちゃ柔らかい。
画像を見ていただくだけでもそれは容易に想像がつくかと思います。完全に暖かいやつ。


こっち系ってガサガサしたボアか、毛足が長すぎて可愛すぎるボアが大半。
今回の作品で用いているのは、しっかりボアな凸がありつつも、ちゃんと柔らかいタイプ。

肌触りはラビットファーのようにしなやかでふっくら。MA1のハードさを軽減してくれているバランスのとれた素材です。


B側にした時のこのボリューム感が最高。
A側とはまったく違った印象。

ASKYYの尖りを削ってくれるような柔和さ。今までにないですよね。
素材について言及させて頂きましたが、
実はこの見た目でめちゃくちゃ軽いっていう、、

実際のブツを見て触れていただければきっとそのギャップに驚かれることと思います。
取り扱いについてのご注意
そのボアに関してですが、着用時の最初の方は少し抜けが出ます。面の部分ではなくフチの部分から。こればかりはすみません。ボア素材、縫製上の特性としてご理解くださいませ。まぁフチだけなので徐々に落ち着いてくるかと思います。
インナーが白の場合目立つかもしれませんので最初は黒をメインにご着用くださるのがよいかと思います。落ち着いたら白で。
シルエットとサイズ感
オーバーフィットの1サイズ。
今後リリースする作品を含め、レギュラーとオーバーの2サイズで製作しているものも多いのですが、今作はオーバーの一択。

このデザインだったらもう一択ですよね。。これは譲れない。
今まで細身好きだったお客様にも徐々に受け入れて頂けて嬉しいです。
ゆーき君(177cm 57kg)でこんな感じ。

僕(178cm67kg)の場合。

2人とも肩幅広男なのですが(吉田は水泳 ゆーき君は体操)、こういったオーバー系の場合肩幅狭いほうが一層馴染むんだろうなと思います。なで方とか華奢なご体型な方ほどフィットすると思います。
もちろんガタイが良い方もハマるのでご心配なく。

肩線を外に下げ、背中で着る様にダルく力を抜いているぐらいがちょうど良い。例えばレザーの上や秋口の羽織にもさくっと羽織って頂けるサイズ感。
小柄なお客さまでも、体格の良いお客さまでも自由にご着用いただける王道なオーバーサイズになってます。
コーデについて
2面性のある作品、せっかくだったらフル活用したいところ。
A側

LOOKではATELIER PANTSと合わせていました。完全にミリタリー路線に全振りさせていますが、実際小綺麗なスタイリングで外していただくのもおすすめです。
カジュアル路線のイメージはこんな感じ。

先日のフレアとの組み合わせはまさに今期のスタイル。

逆にするだけでも結構印象変わります。

ワイドパンツやサルエルでラフに。
寒くなってきたらパーカーと合わせてフード出す感じ。

これはツインジップとの合わせ。フードの有無だけで一気にストリート感でるのがいいですよね。
B側

クリーンで少しアンニュイな雰囲気のあるB側。LOOKではダブルのレザーにナポレオンシャツ。
今はわかりやすくAとBで分けてますが、どちらか一方で合うものは大体合う気もします。鉄板ですが、スキニーもあり。

インナーにはRIBBON SHIRTS LONG。

こちらはBELTED KNITにANKLE LAYERED PT。
タートルとボンバーってなんでこんな相性いいんですかね。

大人というか、「遊びも旬も心得た大人」。
価格
リバーシブル仕様はやはりコストが嵩みます。
完全な新型ですし価格設定は苦戦しましたが着地は¥72,000(税抜)となりました。税込でも7万円台を死守。
月並みな言葉となり申し訳ありませんが、2着分としてお考え頂ければ良い出資案件かと思います。
直営店限定
こちらの商品は直営店限定の作品となります。卸先様では展開予定がありませんのでこの機会をご利用ください。
販売方法について
いつも通り土曜12時から発売となります。
今後のアウター類についてのリーク
ちなみにアウターなんか欲しいけど今後何出るかわからんし絶妙に買うか悩むな というお客様のために、ある程度リリース情報も記載しておきます。高額ですもんねアウターは。
今後の重アウターカテゴリとしては
・ロング丈(ムートン) 1型
・ロング丈(メルトン)1型
・ショート丈(メルトン) 1型
基本的にこの3型。
今回の作品は、これらのどのアイテムともかぶらないのでご安心ください。アウターの括りの中では最も遊びのあるアウターといえます。
最後に。
22awのアウター1作品目。
“おしゃれ”が最も楽しい季節が到来します。
季節的にはまだ早いかと思いますが、「これ着れる時期早くこないかなー」 って思うその気持ちって、贅沢な幸せであり生活を豊かにするものなのだと改めて感じます。実際納品あった時に僕ぶち上がりました。やっと完全版がきたって。
実際、寒くなってから服を買いに行っても「時、既に遅し」でいいものがないというアパレルあるあるは確かに間違いないと思います。その時あるものでいいやって思えばそれまでのことなんですけどね。寂しいじゃないですか。
例えば旅行って計画を立てるところからもうそれだけで楽しいのと同じで。計画なしで突発で行く旅行ももちろん楽しいですが、その場合当日までのソワソワしたあの感覚を味わうことはできないわけです。
実際着用出来るまでの間に思う「早く着たいなー」っていうテンションや気持ちの高揚は、「寒くなったから服を買う」という概念とは全くの別物であって、先物買いでしか感じることができない重要な価値だと思うんですね。

ただの道具なのか、ファッションなのかの違いです。
いつまでも美意識高く、ワクワクする気持ちを大事にする男でいたいって思います。
と、散文で語ってしまいましたが特別煽ってるわけでもないですwすみません
なんかアパレル業界も全然いいニュースないし、世間のファッション離れ?制服のように大衆化?していく加速を俯瞰的に見てたら残念だなって寂しくなるときがありますよっていう。
そんな中、うちの服をご購入いただいている皆様には本当に感謝です。
1着によって生活が豊かになるような、そんな服創りを寡黙に続けていきますね。
今日も長文のお付き合いありがとうございました。
NO LAYERという例の文言も、このリバーシブルによって徐々に伏線を回収し出した頃。
それでは土曜の12時、皆様のご購入をこころよりお待ちしております。

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REVERSIBLE BOMBER JACKET
BLK https://www.askyy-shop.com/items/67072053
ASKYY TOKYO FLAGSHIP Appointment ▶︎ info@askyy-official.com