VERSE100,VERSE200と100回単位で一区切りのブログを書かせて頂いていましたが、ご存知の通り手がまわらず、気付けば300回を過ぎ今回で400回目のブログとなりました。
このタイミングで、
今思うことを綴ろうと思います。
長文になりますし、特別な商品情報もないのでお時間ございます時にでもお読みください。
2017年9月の開店時から始めて、
今日でブログ400回目。
継続してきて数字にすると1回目がとても遠く感じます。今まで何万文字をここに綴ってきたのでしょうね。
その綴られた何万文字のその間に、果たしてどのような変化や成長があったのでしょう。
過去の様々な情景の残像が強くフラッシュバックします。
ずっと横にあるこの青も、
気持ち次第で、明るく眩しい時もあれば、途方もないほど暗く目に映る時もありました。
ゆっくり振り返りながら、こうして文章を書くことが出来ていなかったので、こういった貴重な機会に気持ちを少し整理しようかなと思います。
今に至る現在もSNSの時代が続き、表面的で一過性のモノが溢れ、
「根がない状態」のモノに価値が与えられていく一方で、
ASKYYは、それを横目で見ながら
一歩一歩ひたむきに進みました。
それはこの400回目のブログを書いている今も変わりません。
いつかの有言通り、上ではなく下に向かい、根を深く降ろしてきました。
今のASKYYに花はなくとも、
目につかない土の下には、勇しく深く広がった根と、簡単に折れない屈強な幹が育ったと感じています。
根の短い草花はすぐに枯れる。
これに気づかない限り、
そういったブランドは「SNSにより生まれSNSの中で死ぬ」と思っています。
自然に淘汰されていくでしょう。
太陽と水を───────
絶えず与え、育てて頂いたお客様方のお陰だと思います。
この機会に、皆様改めてありがとうございます。
おかげさまで
今見えている新しい景色は、
この頃と大きく変化しました。
忙しさの内容や質、種類も変わりました。
その結果光が大きくなった分、大きな暗闇も同時に拡がって、襲い掛かることも最近増えました。
こういったプレッシャーに似た重圧を感じた事は今迄ありませんでした。
でもその暗闇がある状態は、とても幸せな事なんだなって思います。
メンヘラとかではなくて。
この世界で何かを生み、
誰かの何かを変え、
───────そして遺していくこと。
背負っている何かがあるからこそそれに生きがいを感じますし、むしろそれがないと生きる意味なんて無いとまで思います。
ASKYYの良さをお客様にお伝えしASKYYを気にいって頂き、身につけて頂けているなら僕はそれだけで十分です。
たとえもっと光が強くなって闇がさらに膨大化しても、この初心を思い出せば揺らぐことはありません。
自らの身を削り犠牲にしていても、
覚悟を決めている分、全く動じない信念があります。
「今この時代にこのテイストの服で売れたらすごい」
ブランド設立時、この声をよく耳にしました。
それは冒頭のSNSのくだりにも通じますが、わかりやすい服が一般的に良しとされる時代です。
特別に映えるものはうちの服にはありませんが、
微かに揺れる紐、静かに重なっている生地、目立たない曲線やシルエットの造形など。
その全てに美徳があって、全てに意味があり凝縮され詰まっています。
お客様の手元にある、もしくは今着ていただいているかもしれないそのASKYYの服には、小さいながらも大きな希望と未来が宿っています。
ずっと手元に残して頂けるような服を今後も創り続けていきます。
僕自身も「ASKYYの人」としてかっこよくあり続けると誓います。
たまに聞かれますがうちの会社、株式会社LIMbは完全に叩き上げです。
全て0からスタートしました。
そして、Mをはじめとする周りの方々に協力いただき、今があります。
全ての過去に無駄はないですよね。
そして、弊社には特別な背景もありません。
PRや雑誌、スタイリストさんにお金を払ったこともありません。癒着などは興味さえもないですね。
業界に何を思われようが構いませんが、
こんな時代でもそれに流されず、うちの服を着てご共感いただけているお客様こそ本当に貴重です。
ただただ感謝しています。
例えば昨日のご着用情報をはじめ、下手なコマーシャルをせずとも、ストイックに一歩ずつ物作りをしていれば様々なお話を頂ける大変ありがたい環境に感謝し、この場を借りてお礼申し上げます。
当時はプライドが邪魔して誰にも言えませんでしたが、
例えばこのブログのアクセス数、初めて数ヶ月は1桁だったんですね。
それがどれだけ辛かったか。
お客様の前で無理な笑顔をしていた時もあったと思います。
でも継続は力って本当で。
今ではお客様に見ていただいているという実感があって、
いつも感謝の気持ちで溢れています。
あの頃の傷心と挫折は今でも深く残っているので、その感謝の気持ちも強くて。
今後も、期待は絶対に裏切りません。
着た時に高揚するようなウチでしか出来ない服を創り続けるのみです。
毎週1型ずつのリリース というやや特殊な販売方法をとっているのは、
1型1型思いと魂を込めている為、
丁寧にご紹介したいという事からに他なりません。
今までの体験や経験、
哲学や感性を商品画像ひとつで表現出来るほど僕は器用ではありません。
その為でもあるこのブログですが、アーティストが歌詞を書くように、ひたすら言葉を吐き出し続け、今後もASKYYを訴え続けていきます。
20SSから始めたパリでのコレクション。
数ヶ月後に迫っている20AWの発表を前に、
今は没頭して取り組んでいます。
それは、次のシーズンもPARIS COLLECTIONで発表することを意味しています。
2017年に掲げていましたが
本当の「勢力」とは、
業界的な知名度や規模感なんかではなく、
「どれだけのお客様の心の中に在り続ける事が出来るか」 だと思います。
その本意である「勢力」は、世界の隅々まで届くと信じています。
その2017年から始めた小さいブランドが、どこまで行けるか。
今後も、近くで応援していてください。
たとえ いくら売れたとしても
窮地になり 売れなかったとしても
お客様から近い場所にずっと在る、
そんな血の通ったブランドで在り続けます。
2019.11 著者近影
ASKYY TOKYO FLAGSHIP & INEFFICIENT