今期、創り上げるのに最も時間を要した作品。
ワンピースでいう”四皇”の登場が、20SSは逆になる と以前のブログでお伝えしておりました。まさしく彼がシャンクスで。
昨日のブログにもありますように、
20SSのKINGを今日はご紹介させて頂きます。
その名は ”DUSTER COAT”
品番はG1。
ご紹介いたします。
Model:G1
″DUSTER COAT”
Code:3/7
Season:351
Material:COTTON100%
Color:BLK
まず、introのキャッチとして
ASKYYでは名作として挙げて頂ける”NAPOLEON JACKET”
あれを再構築し春夏仕様にアップデートしているとお考え頂いてもよろしいかと思います。
“ナポレオンの春夏タイプ” そんな感覚。
「ダスターコート」
その名付けの理由はブログの最後に。
■身頃のレイヤード部分
お馴染みの階層化です。
ただ単純な重ねではなく、今回はショート丈とロング丈のコントラストにフォーカスし実験しました。
ASKYYの1つの作風として挙げられる「レイヤード」
それはうちが提唱するミニマムや合理性を追求する上で最も適した技法と思っているため度々多用します。
ただ、
ソレに特化するからには様々な試みをしお客様もマンネリせぬよう努めています。
ハイブランドを含め、レイヤードを使った優れた服はたくさんありますよね。
でも僕はその分野や技法に於いて、普段から着ることが出来、かつリアルで絶妙なさじ加減を計る方が余程困難だと思っています。
(話また逸れましたね、、悪い癖)
幾度もトワル を潰しては作成し絶対的な長さの方程式を導きました。
内側と外側は肩とアームホールで縫合され、他の箇所は浮かせています。
先日のレイヤードパーカーのロングタイプも同様ですが、長短の差をつけることによって見た目の軽快感はもとより、暑苦しさを無くしています。
それは暑いSSシーズンにとって、とても重要なポイントですよね。
軽やかに空気を含み、繊細な生地を際立てます。
■開閉時それぞれのバランス
開襟時にも襟の形が美しいラインを描く様に採寸。
閉じた時は無機質でコンパクトな見え方になるように。
■袖部分のレイヤード
今回、この袖部分も新しいアプローチです。
今まで様々な部分をレイヤードさせてきましたが、その研究対象は袖部分にまで範囲が及びました。この作品は、袖口が主役といってもいいかもしれません。
肩から手首部分までは1枚仕立て。手首から指先までが2枚重ねになっています。
表のみをめくりラフな雰囲気を出して頂いてもいいですね。
狭い部分に、壮大な哲学が詰まっています。
外側のみボタンホールが設置され、そのまま拝みボタンで閉じることが出来る仕様です。
食べる時、タバコを吸う時、手を洗う時。
様々な動作に連動しその人の性格や感性を、こんな小さい服の一部分が表現してくれたらいいなと思います。
■胸ポケット
NAPOLEON JACKETの残像部。
受け継ぐ部分は血を濃く残しました。
白が入ることで全体の雰囲気が一気に締まりますよね。
コーデがオールブラックでも、こういったポイントで緩和されます。
加えて、ポケットの袋布をちょうどスマホサイズにトレースしています。
未来の人が古着屋でこの服を見た時 「ポケットの形がこれだから、ってことは2020年代頃の服かなー」 って考察。
そういうのロマンありません?自己満なんですけどね
■生地
以前ご予約頂きましたLAYERED GILET
その生地と同じです。
今期20SSより初登場した当素材ですが、今までのシャツ類にて使用したCOTTON100の生地の中では最も風合いが気に入っています。
長時間揉まれ、練られ、芯から解したエアリーなマテリアル。
そのため、肌触りはソフトな質感。写真では硬そうに見えますがふわっとしてます。
ジレも同様ですが、1枚ではやはり透け感があるのでその生地を重ね、たっぷり贅沢に使用。
もちろん、お手入れもしやすいように、更に洗い加工を施しています。
ほつれた裁ち切りの糸と相まって風に揺れる動きはグランジでありつつインテリジェンスある見え方。まさにASKYYだなって。
■襟
これも20SSの為に、新しく開発・採用した襟の形です。
ナローな襟によってシャープさは保ちつつ、かしこまった印象に見えないフォルム。
MA1で見られるリブの襟、あの男臭い形をモダナイズし昇華。
襟の先端の起点を途中からにし、ある程度首回りにゆとりをもたせつつも、シャープでナローに仕上げました。
ノーカラーのアンニュイさは残しつつも、女性的すぎず、男っぽい抜け感。
この襟は個人的にもとても気に入っているので20AWも多用し今後のASKYYとして推していく1つのカタチです。
襟を倒した時も想定し計算してありますので収まりがよいはず。
■背面
センター部分で折り込みを施した意図は
背面がのっぺり見えない様に。
■比翼
ボタンを比翼によって隠すことで全体的なミニマムさを強調。
閉じた時はナポレオンジャケットと大きく異なる見え方になりますね。
内側の見返しにはもたつかぬ様ボタンを配しています。
■ポケットの位置
レイヤードの特性を生かした配置。
表の生地でやや隠れるように仕込んでいます。
■シルエット
縦長シルエット。
写真の僕で全てSIZE2 を着用しています。
いつものサイズで間違いないかと思います。
写真撮ってる時はインナーが厚着(白シャツ、ロンT、タンクの3枚)だったので少しパツってみえるかもですが、春夏の1枚想定ですとシワは減ってジャストです。
■色展開
今回はBLKの1色集中です。これに関しては他の色を考える間もありませんでした。
■プライス
¥50,000(税抜)となります。頑張りました。
LOOKではKINGをさりげなく公開していましたね。
ラスボスがいきなりわかりやすくネタバレではおもしろくないかなって思って。
Yのステッカーにもあるウィトルウィウス的人体図。
そのウィトルウィウスの文献に記述がある話で、「アルキメデスの原理」ってものがあります。
王様に王冠の金の体積を鑑定してくれと命じられたアルキメデスは、浴槽にいた時、あることを発見します。
バスタブでのLOOKは、王へと報いるそのアルキメデスとモデルをなぞらえてました。
KINGがどれか というのはこれがヒントだったわけですね。(いやわかんねーよ草)
これだけお風呂でのシチュエーションだったこと、違和感ありませんでしたか?(絶対こじつけだろ草)
難しい話は置いておいて商品説明は以上となります。
さて長文となりましたが、
何をもってKINGの位置付けとするか。
今回は襟、袖、そしてレイヤード部分に於いてASKYYの新しいアプローチや試みが詰まった作品です。継承する白ポケや素材等も含めて今考えうる”ASKYYらしさ”が全て凝縮しております。
ASKYYがまた一歩進んだことを刻み込むような、そんな作品が誕生する度にその称号を与えたいなって思っています。
最後に
「ダスターコート」って、元々の起源は乗馬時などに着用する薄手のコートで、ほこり避けのためとして着用されていました。その為背面にスリットが入っていることが多いことも特徴の1つです。
うちが提案するものは新時代でまったく別物ですけど。
ASKYYにふりかかるほこり(ヘイト)を横目に、靄の中をかきわけ進み、そのうずまく塵の中を馬で颯爽と駆け抜けていく。脳内でそんなイメージを膨らませながら名付けました。
あと、生産数に関してはKINGなのである程度絞らせて頂きました。がどうなのでしょう。
19AWのKINGも数分で完売頂きましたからなんとも言えません、、
ちなみに今期は、この商品が最も高単価となりますのでこの先はご安心くださいませ。
てことで、
いつも通り今週末
2/8(土)12:00 より店頭・通販 同時発売となります。
通販のお客様は下記ページよりご確認くださいませ。
(発売開始時間まではカートに入れることができませんのでご注意くださいませ。配送は月曜日となります)
https://www.askyy-shop.com/items/26244737
ではではよろしくお願い致します。
ASKYY TOKYO FLAGSHIP & INEFFICIENT